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1:南の大陸へ

『キッポと一緒!』

http://ncode.syosetu.com/n6316bc/

『キッポと一緒!2 ~リムノの帰郷~』

http://ncode.syosetu.com/n9319bd/


をお読み頂いていると、いろいろな点がお分かりになるかと。


宜しくお願い致します。

 無事にわたしの帰郷を終えて。

 ハルサを後にしようとしているわたしたちは、再び冒険の旅に出た。今度こそは、キッポの目標でもある、『旅をするドルイド』を叶えなくっちゃ。部落の情報は、いつもココロを開放してキャッチしないとね。とは言え、実際の部落の立地などは、キッポの特性に任せないといけないんだけど。

 キッポは、重たそうなハルバードを平気な顔で持ちながら、ハルサの様子を興味深そうに眺めながら歩いてる。

「キッポ。どの辺に行きたい?」

 わたしは、並んで歩いているキッポに訊いた。

「うん? ボクは後回しでいいよ。今度はルカスの旅に付き合う」

「オレのか?」

 鞘の位置を直して、ルカスが言った。

「オレこそ、後回しで構わない。キッポ。自分の旅をしろよ」

「ルカス。キッポも納得してるなら、わたしも付き合うわよ?」

「うん。途中で部落探しを手伝ってもらえるなら、ボクも賛成」

 ハルサの港に着いた。人々でごったがえしている。ここで行き先を決めないと、船に乗れない。お金は充分にあったけどね。どこに向かう船であれ、心配無く乗れるだろうな。

「じゃあ、部落探しをしながら、付き合ってもらうか。いいのか?」

「うん」

「わたしも」

 キッポとわたしはうなずいた。

「オレが行きたいのは、南の大陸。剣の技をもっと磨くためにな。船旅だし、時間がかなりかかるが」

「いいわ。今度こそ海賊が襲って来ないことを祈って、乗りましょ」

「ルカス、これ以上強くなるつもりなの?」

 キッポの問いに、

「まだまだだよ、オレなんか。世の中、もっと上のヤツらが星の数ほどいるさ」

ちょっと苦笑を浮かべた。

「わたしも。途中のギルドで、魔道書を今度こそ手に入れたいわ。『魔道の額冠』に頼りっ放しじゃ、いつまで経っても成長しないもの」

 父さんからもらった路銀では、買いたくないけどね。このお金はルカスに管理してもらっておいて、緊急時のために取っておかなきゃ。あ。切符の順番が近付いて来た。

「じゃあ、南の大陸への船でいいか?」

「うん」

「任せるわ」

 ルカスが切符売り場のお姉さんと話してる。無事に買えたようだ。

「どこ行きなの?」

「プラチノ。そこの港からアルプラチノ高原を目指す」

「聞いたこと無いや」

 わたしもキッポのつぶやきにうなずく。地理学の書物で勉強はしていたけど、南の大陸のことまでは詳しく無い。キッポももちろんそうだけど、わたしも初めて別の大陸に行くことになった。ちょっとどきどき。ちょっとわくわく。

「船はいつ出るの?」

 キッポが訊いた。

「タイミングいい。今日の夕方だ。これを逃すと、2週間は船が無いからな」

 それは本当にラッキーだ。2週間も港にいることになると、宿代もかかってしまう。出来るだけ出費は抑えたかったからね。

「ご飯はどうするの。船で?」

 食欲が何にも勝っているキッポ。でも、わたしもおなかがすいたわ。

「そうする。日暮れ前には出航しちまうからな。港で食べてる時間は無い」

「分かったわ。じゃあ今のうちに出来る準備はして、船に乗りましょ」

「ボクはおなか減った。リムノ、食べる? ボク、食べたい」

「はいはい」

 いつも通りのキッポ。『うどんメガ』を食べ切った食欲は、衰えると言うことを全く知らない。

 それにしても。

(ルカス、南の大陸に詳しいみたいだけど。行ったことがあるのかしら?)

 船に乗ったら訊いてみよう。わたしはそう決めて、大きく伸びをした。

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