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現在・栞編−夜明け−

尊との夜は なかなか寝付けなかった。



うとうとしては


『これは夢じゃないか』と ハッと 目を醒まして隣を見る。


それが何度もくりかえされた。


隣には 夢ではなく 彼がいて、 眠っているときや 起きているときもあった。


彼が 起きているときは

目が合ってしまって、恥ずかしくなって 私は 布団に潜る。

そして彼は 優しく笑う。


彼が寝ているときは その寝顔を見つめて 夢じゃないかと 触ってみたくなる。



約20年経って、やっと結ばれた 私たち。


でも それは 罪になる。


彼が奥さんと 出会うよりも 私が旦那と 出会うよりも、随分前から 知っていて 愛し合っていたのに・・・。



いつまでも、彼の寝顔を見ていたかった。


もし 手に 入ったら きっと今のように 愛おしくは感じなくなるのだろうか?


無い物ねだりな 私。



彼が 初めての相手でなくてよかったと思う反面、十代の 綺麗なからだの私を あげたかった とも思う。



彼は 今までに 何人と経験したのだろう・・。


知らないことばかりだ。



眠ってしまうのが もったいない 夜だった。



気がつくと 窓の外が明るくなってきた。


ああ もう 夜が 明ける。


神様、今日一日、もうたった一日、彼と一緒にいられたら 私は 忘れますから。 どうか 許して・・・・。


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