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第34話 距離

 カウンターに座り、私はしばらく休んでいた。お客さんはひと組、またひと組と入ってきたが、そんなにあわただしくなることもなく、聖君は藤井さんに指示を出しながら、接客をしていた。

 藤井さんは顔を赤らめながら、はい、はいってうなづいている。声も小さく、まだまだ緊張してる感じだ。


 あれ?なんとなく、聖君の態度が、違っているような…。私と出会った頃、やっぱり私は声が小さくて、聖君は聞こえるように、私に近づいてきていた。すぐ横まで来て、耳を傾け聞いてくれた。

 でも、藤井さんには、距離を置いているのが分かる。

 藤井さんの声が小さいと、

「ごめん、聞き取れなかった。何?」

と聞き返している。ああいうの、私との会話では、なかったよな。


 それに、教える時にも、丁寧なんだけど、なんとなく事務的っていうか、テキパキと教えてるんだけど、なんていうのかな。ある一定の距離を置き、そこから近づかないようにしてるっていうのかな。

 あ、そうか。もしかして、さっき、藤井さんの胸を触っちゃったから、すごく注意深く、近寄らないようにしてるのかもしれない。めっちゃ気をつけるって、言ってたっけね。


 藤井さんが、ちょっと近寄ると、その分また、聖君が離れるようにしている。でも、顔は笑顔のままだ。

 杏樹ちゃんは、このことを言ってたのかな。女の人と距離を置いてるって。

 私、聖君から、そんなに距離を置かれたこともないし、菜摘だって、そりゃ、最初の頃は聖君、どっかたどたどしかったけど、妹だってわかって、妹として意識するようになってからは、杏樹ちゃんに対するのと同じくらいに、菜摘とも接していたし。


 ひまわりにもそんなに、距離を置いてる感じもなかったし、桜さんや、麦さんにいたっては、あっちの方が、聖君の腕とか触ったりして、接近しちゃってたし。

 だから、こんなふうに距離をしっかりと置いてる聖君は、初めて見るかな。

 あ、そんなことないか。高校では、あからさまに、女の子と距離を置いていたっけ。


 藤井さんは、そんなこと気にしてるのか、気にしてないのか、聖君とたまに目があうと赤くなり、話してるだけで赤くなり、でもすごく嬉しそうにしている。

 見るからに、聖君のことを好きだっていうのが、丸分かりの反応だ。


 私もああだったんだよね。だから、聖君に、付き合ってるふりをしてって言われた時、いつもどおりでいいからって言われちゃったんだよね。

 だって、聖君を好きなの、丸分かりだったみたいだもん。今の藤井さんみたいに。


 意識して私のことを見るようになったら、すごく可愛かったって聖君、言ってたっけ。赤くなったりしたことを言ってるのかな。

 だったら、藤井さんは?聖君に話しかけられるたび、赤くなってるよ?そういう藤井さんも、可愛いって聖君は思うのかな。


 あ、今、聖君、こっち見た。目、合っちゃった。えっと、視線を外すのも悪いし、どうしようかな。笑ってみようかな。

 にこ…。 

 あ、あれ?聖君、微笑み返してくれないの?それどころか、ぶーたれてる顔だよ、それ。口尖らせて、すねちゃったり、へそ曲げた時と同じ顔。


「ちぇ~」

とか、

「なんで~~」

とか、言ってる時の顔。なんだろう。何が言いたかったんだろう。もう、藤井さんに話しかけられて、こっちも見てないけどさ。


 その顔も可愛いから、好きだけど、今、もしかして、すねてた?あ、甘えてたのかな。


 私は、マグカップを置きにキッチンに行った。すかさず、聖君は、ぱぱっとテーブルにあった、食べ終わったお皿を、

「お下げしますね」

と言って、トレイに乗せて、キッチンにやってきた。そして、

「紗枝ちゃん、お水をテーブル席に回って、入れてきてくれる?」

と、ピッチャーを渡し、藤井さんをホールに追いやると、ささっと私の横にへばりついてきた。

 お母さんもキッチンにいるのにな~。


「休憩したい」

 聖君がぼそって言った。

「え?」

「桃子ちゃんと、俺の部屋行きたい。あ~~。癒されたい」

「…」

 ダダをこねる、困ったちゃんになってるな、こりゃ。


「聖、5時過ぎまで待ってね。パートさんが来たら、休憩入っていいから」

 聖君のお母さんが、ディナーの下ごしらえをしながら、そう言った。

「じゃ、俺が先に休憩入るから、そのあと、母さんが休憩はいって、夕飯食っちゃってよ。俺、飯はあとでいいからさ」

「うん、そうするわ」


 聖君は、私の顔を見て、にこ~~って笑って、

「じゃ、もう少ししたら部屋行くから、桃子ちゃん、先に休んでていいよ」

と私にご機嫌の声で言った。

「うん、わかった」

 私は一人で、2階に上がった。

 

 聖君、休憩時間がほしかったのか。それで、あんなすねた顔してたのか。子供みたいだな~、本当に。

 それで、休憩に入れるとわかったとたん、あんなにご機嫌になっちゃったのか。う~~ん、なんてわかりやすいんだろうか。


 ベッドに座ると、なんだかどっと疲れと眠気がやってきた。

 あ~~、聖君やお母さんが言うように、無理はできないな。ちょっとお腹がはってるような感じもするし。

 もっとお腹が大きくなったら、もっと、大変なんだろうな~。


 横になり、タオルケットをかけた。ベッドからも、タオルケットからも、聖君の匂いがした。

「あ~~、癒される」

 あ、癒されてるのは、私のほうみたいだな。

 でも、やっぱり、聖君がいい。聖君に抱きしめてもらうのが、一番、癒される。

 安心と、ときめきと、幸せに包まれるんだよね、聖君の腕の中って。


 私はいつの間にか、寝ていたようだ。誰かに抱きつかれ、うなじにキスをされ、髪をなでられ、そんな感覚の中目が覚めた。

「…聖君?」

「うん」

「寝ちゃってた?私」

「寝てていいよ」


 寝てていいよと言いつつも、聖君に胸、触られてたら、落ち着いて寝れないのにな…。

「桃子ちゅわん」

 あ、思い切り甘えてるな、これ。

「疲れたの?聖君」

「うん」


 私は聖君の方に体を向けた。それから、聖君を抱きしめた。聖君も私を抱きしめ、それから、耳にキスをしてくる。

「くすぐったいよ」

 そう言っても、聖君はなかなかやめない。

 しばらくすると、ようやくちょっとだけ、体を離し、私の顔をじっと眺めてきた。


「なあに?」

「桃子ちゃん、可愛い」

「え?何?突然」

 いきなりそう言われ、思わず顔がほてってしまった。

 聖君は、私の鼻の頭にキスをした。


「あ、もうクリームの味、しないか」

「え~~。あのあと、布巾でちゃんと拭いたもん」

「そうなの?鼻の頭にクリームつけて、めちゃ可愛かったのにな。あれ、本当はべろって舐めたかったんだよね、俺」

 やっぱり。

「藤井さんがいなかったら、鼻を直接舐めてた?」

「うん、もちろん」

 もちろんなんだ。


「藤井さん、仕事慣れてきたみたい?」

「そうだね。落ち着いてやれば、全然大丈夫みたい。パン屋で働いてるんだし、レジもすぐにできるようになっちゃったしさ」

「聖君のそばにいるから、あがっちゃうのかなって、見てて思ったよ」

「え?」

「真っ赤になりながら、はい、はいってうなづいてるけど、頭に入ってないかもね」


「あ~~~~。そうだね。そうかもな~~」

 聖君はそう言うと、また、私をじっと見た。

「なあに?」

「桃子ちゃん、可愛い」

「さ、さっきから、何?」

 私はまた、顔がほてってしまった。


「あ、赤くなってるし…」

「からかって遊んでる?」

「うん、ちょっと」

「もう~~~」

 そう言って、聖君に抱きついてみた。あ~~、聖君の匂いにも、ぬくもりにも癒されちゃう。


「ぎゅ~~~」

 あ、またぎゅ~って言ってる。

「あのね、聖君。ちょっと変なこと聞いていい?」

「何?」

「私が聖君のこと好きだっていうのは、最初わからなかったんでしょ?」

「うん」


「菜摘から聞いて、意識して見るようになったんでしょ?」

「うん」

「それで、見てたら、私が聖君を好きだっていうの、わかるようになったんだよね?」

「うん」

「なんでわかったの?」


「え?だって、真っ赤になるし、恥ずかしそうにうつむいちゃうし、あ~~、これ、俺のこと好きだからこんな反応しちゃうのか~~って思ってさ、めっちゃ可愛かったよね」

「可愛かったの?」

「可愛かったよ、あ、今でも」

 聖君はそう言うと、髪にキスをしてくる。


「そ、それで、その…」

 思い切り抱きしめてくるし、話がしづらいな…。

「うん、なあに?」

「聖君が、私のことを好きだって自覚したのは、いつなの?」

「俺が自分自身で?」

「うん」


「う~~~ん、いつかな。桃子ちゃんに付き合ってるふりをしてって頼んだ時には、もう好きになってたし。カラオケ行ったじゃん。蘭ちゃんと基樹をひやかす会しようって言って」

「うん」

「あの時、もうすでに好きになってたから」

「え?うそ!」

「なんで、うそ?」


「だって、あの時聖君、落ち込んでて、それどころじゃなかったでしょ?」

「俺が落ち込んでた?」

「落ち込んでたよ。元気なくって、歌も歌わないし、はしゃぐこともなかったし」

「あ~~、だって、桃子ちゃんのこと見たり、話聞いたりしてたから」


「え?」

「カラオケに行く間も、桃子ちゃん、真っ赤になりながら話したり、俺と目があうと恥ずかしがって目をふせたり、でも、一生懸命に話してるな~とか、なんかそういうの見て、どんどん可愛いな、もっと知りたいな、ってなってたから。あ、あんときかな、俺自身で、自覚したの」


「あの時、声も小さいし、話も面白くないし、すぐに目をふせちゃうし、私のことなんか暗い子だなとか、つまらない子だなとか、思わなかったの?」

「桃子ちゃんのこと?」

「うん」

「…」

 聖君が黙りこんで、私を見た。


「お、思ったの?」

「ううん。桃子ちゃん、すげえ面白いのに、なんでつまらないって俺が思うわけ?って今、そう思ってた」

「…。だから、その私が面白いっていうのが、わからないよ」

「え~?おもしれ~じゃん。ポメラニアンだよ?マルチーズだよ?そっくりなんだよ?」

「……。もう、いい。聞いた私が馬鹿だった」


「あ、あれれ?なんで?」

「面白いって言われても、嬉しくないもん」

「うそ」

 うそって何?喜んでると思ってたの~?

「つまらないって言われたほうがいいの?」

「よくないよ~」

「でしょ?」


 なんだか、話がおかしくなってくよ。

「じゃあ、聖君、聞くけど」

「うん、なあに?」

「藤井さんのことも、可愛いって思うの?」

「へ?」

「面白いって思うの?」


「なな、なんで?」

 聖君は抱きしめてた手を離し、目を点にして、私を見た。

「だって、藤井さんも聖君と話すと、赤くなったり、うつむいたり、声が小さくなったりして、私と同じ反応してるよ?」

「…あ、そういうことか」


「どんなことかと思ったの?」

「いや、桃子ちゃんが俺を見てて、そう感じたのかと思って」

「見てて、すんごい距離を置いて接してるなって思ってた」

「うん。でしょ?距離置いてるもん、俺」

「胸、触っちゃったから?」


「う」

「う?」

「それもあるけど…」

「それだけじゃないの?」

「う~~ん、どうも、なんていうか」

「うん」


 聖君は、ちょっと視線を外して、頭をぼりって掻くと、

「どう接していいかわからないっていうか、構えちゃうっていうか、気を使うっていうか」

「あ、それで今日は特に、疲れてるの?」

「うん」

 そういえば、前に、麦さんに対しても、気を使って疲れるって言ってたっけ。


「ねえ、じゃあ、もう一個聞いていい?」

「何?今日は質問攻めだね、いいけどさ」

「あのね、私には気を使ったことある?疲れたことある?」

「桃子ちゃんに?ないよ」

「一回も?」

「ないよ」


「…距離を置こうと思ったことも?構えたこともないの?どう接したらいいかわからないってことは?」

「そういえば、ないな~~」

「…そうなんだ」

「桃子ちゃんはあるの?俺に気を使ったこと」


「私は…、最初は何を話したらいいかわからなかったし、あ、違うな。話したいけど、緊張して話せなかったかな。あ、でも、とにかく隣にいられるだけで、嬉しかったから、舞い上がってたって感じかな」

「隣にいるだけで嬉しいって、俺もそうだよ。話すのも、話を聞くのも、桃子ちゃんを見てるのも、嬉しかったから」


「聖君が?」

「うん。嬉しかったよ。ほら、はじめて二人で、水族館行った時、あんときも俺、桃子ちゃんがいるってだけで、満たされてたから」

「え?あの時?聖君、やけに静かだったけど」

「うん」

「私、菜摘のことで落ち込んでて、それで静かなのかと思って、どうしたら元気付けられるかなって思ってた」


「あはは。そうなの?落ち込んでなかったよ。魚見てる桃子ちゃんも、手から伝わってくる桃子ちゃんのぬくもりも、全部可愛いなって思って、それかみしめてたよ」

「……」

「目、まんまるくなってる。もしかして、びっくりしてる?」

「うん」


 聖君はまた、目を細めて笑った。あ、その顔も可愛い。

「俺、言ったじゃん。桃子ちゃんにべた惚れなんだって。あの頃からずっとね」

 そう言うと、聖君は私をまた、ぎゅって抱きしめた。

「そうだね、不思議だね」

 聖君はいきなり、そう言い出した。


「何が?」

「桃子ちゃんが赤くなるのも、全部可愛かったんだ。すんげえ可愛い!って心の中で絶叫してたよ。あ、今もだけど。でも、紗枝ちゃんに対しては、そういうの思わないな~」

「…」

 絶叫してたんだ…。私が、心の中で、聖君、めちゃ可愛い、胸キュンだ~~って絶叫してるのと同じかな。


「紗枝ちゃんには、なんつうか、俺、もっと冷静」

「仕事教えてるからじゃないの?ちゃんと教えないととか、そんなふうに思ってるから、とか」

「そうかな~~」

 聖君は顔を傾け、ちょっと考え込んだ。

「そうじゃないと思うけどな~」

 聖君は、ぼそってそう言うと、もぞもぞって胸を触ってきた。


「…。ねえ、聖君」

「うん?」

 聖君は、私の胸に顔をうずめた。それから、

「ふにゃ~」

とまるで、猫のような声を出した。なんだか、癒されてる?思い切り…。


「もう一つ、聞いていい?」

「もう一つだけね。俺、桃子ちゃんの胸で、ちょこっと寝たいから」

 胸で寝るの?

「さっき、藤井さんの胸を触っちゃった時、驚いちゃったの?」

「え?!」

 聖君が、私の胸から顔を離して、すごく青ざめた顔をした。あれ、なんか変なこと聞いちゃったかな。


「桃子ちゃん、それ、せっかく俺、忘れかけてたのに。ものすげえ、ショックな出来事だったのに、思い出させないでくれる?」

「ごめん」

 聖君は、本当に青ざめてて、暗い表情になってしまった。

「ごめんね?」


「うん。驚いたって言うより、悪いことをしたっていう申し訳ないって気持ちの方がでかかったよ」

「私の胸をはじめて触った時も、謝ったけど、あの時も?」

「あ、あんときは違う」

「え?そうじゃなかったの?」

「だって、あれはアクシデントじゃなくって、胸触りたくて触ったんだもん」


「…」

「申し訳ないっていうより、やべえ~~。桃子ちゃんに嫌われたらどうしよう~~っ、桃子ちゃん、傷つけたかな。もう会ってくれないとか言われたら、どうしよう~~って感じかな」

「そ、そうだったんだ」

「駄目って言われて、やばいってなって、真っ青。あんとき、頭真っ白で、顔面蒼白だったでしょ?俺」

「わかんない。私も真っ白で、顔面蒼白だったから」


「え?そうだったの?」

「だって、胸がぺちゃんこなのばれた~~、聖君、がっかりしたかも~~って、すんごい落ち込んでいたから」

「……」

 聖君は私を見て、笑うのをこらえてるようだ。


「笑っていいよ?」

 そう言うと、思い切りぶ~~ってふきだし、笑い出した。

「だから、桃子ちゃんって面白いんだってば~~~!あははははは。俺ががっかりするわけないじゃん。なんで、そんなことで落ち込むんだろう~~~。ああははははは!」

「笑い過ぎだよ。そこまで笑っていいって言ってないよ…」


「だって、ああ、腹いて~~~!」

 大爆笑しすぎだってば。

「ねえ、聖君」

「何?」

「もう一個」

「質問~~?まだあるの?もう、それが最後だよ、最後」

「うん」


「なあに?」

「あのね、藤井さんの胸、触っちゃった時、あ、桃子ちゃんよりもでかいって、思っちゃった?」

「……へ?」

「藤井さん、私と背格好は変わらないけど、胸は、私よりも大きいもん。そう思わなかった?」

「…お、思うわけないじゃん」

 聖君がものすごく呆れたって顔で、そう言った。


「ほんと?」

「ちょっと肘が当たっただけだよ?わかるわけないし。だいたい、なんでそんなこと俺が思うわけ?」

「ちょっと、そう思ってたらどうしようって、気になっただけ」

 聖君はまた、胸に顔をうずめてきた。っていうよりも、顔を押し付けてきた。


「桃子ちゃんの胸が、一番なのに~~。桃子ちゃんが一番なのに~~。俺、落ち込んでて、それどころじゃなかったのに~~。桃子ちゃんのこと早く、抱きしめたかったのに~~~~」

 そう言うと、ぎゅ~~って抱きしめ、黙り込んだ。

「ごめん」

 私は聖君の髪をなでた。それから、頭にキスをした。


「さっきの、私と目が合った時の顔、そういう顔だったの?」

「え?」

「目が合った時、口尖らせて、ぶ~たれた顔してたけど」

「あ~。そうだった?まじ、疲れてて、桃子ちゃん、抱きしめて~~って思ってたけど、俺、ぶ~たれた顔になってた?」

「…甘えてる顔だったんだ、やっぱり」


「桃子ちゅわわん」

 聖君はそう言うと、また私のことを、

「ぎゅ~~~」

って言って抱きしめた。私もぎゅって抱きしめた。あ~~、子どもみたいだ、聖君。でも、そんな聖君がめちゃくちゃ可愛いの。

 やばいな~~。可愛すぎちゃうな~~。可愛い~~~~!って今、私、心の中で絶叫してるよ。




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