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恋に気づく日

作者: 空詩
掲載日:2026/01/22

書店員の結衣は、毎週水曜日に来る常連客が気になっていた。


いつも青いリュックを背負った青年は、決まって料理本のコーナーに立っている。

真剣な表情で本を選ぶ横顔が、なぜか心に残った。


ある朝、占い好きの同僚が言った。

「今日の水曜日、結衣ちゃんに運命の出会いがあるって」

「タロットで恋人のカードが出たの」

「え、そんなはずないよ」

気づいたら顔が赤くなっていた。


その日の彼はいつもより早めの時間に来店した。

「これ、おすすめですか」

彼は話しかけてきた。それが初めて交わした言葉だった。

「とても分かりやすいですよ。初心者さんにもおすすめの本です」

「何か作る予定なんですか」

「母の誕生日が近々あって、その時作ってあげたいなと思って」

笑顔で話す彼に、結衣の心は跳ねた。これが恋だと、気づいた瞬間だった。


それから二ヶ月が経った。

彼は毎週水曜日に通い続け、結衣は料理本以外の本も勧めるようになった。


ある雨の日、レジの横に置いてある星座占いの本を彼が手に取った。

「占い、信じますか」

「ちょっとだけ。でも行動しないと何も始まらないとも思っています」

「たしかにそうですよね」

そう言って彼が差し出したのは、手作りのクッキーだった。


「いつもおすすめの本や相談乗ってもらって、ありがとうございます。

あの…次は一緒にカフェでも行きたいです」


同僚が後で、囁いた。

「水曜日の予言、当たったでしょ」


窓の外は雨が上がり、虹が架かり始めていた。

占いは背中を押してくれる。でも恋を育てるのは日々の小さな勇気。


「はい、行きたいです」

結衣は笑顔で答えた。

読んでいただきありがとうございます。

他にも短編を投稿しています。

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