第7話 素敵な呼び出し。
【きみと一度お話をしてみたいと思っていました。放課後、西校舎の裏でお待ちしております。必ず一人で来てくださいね。 エルナ様へ。】
来た!いや~私にもついに春が来たかしら?
誰かしら?クラスメイトの男子?剣術の授業のあの子?うははっ。
朝、いつものように登校して、机に教科書をしまおうとして、その手紙に気が付いたエルナは、自分に羽が生えた気がした。ふわふわである。
お隣の席に、いつものように着席したユリアーナ様が、訝しい顔をして私を見ている。そうそう、ユリアーナ様は、どういう心境の変化なのか、立てロールをやめて、私と同じ三つ編みおさげにかえた。同じ髪型なのに、何かが根本的に違う。
何時もユリアーナ様にケンカを売りにやってくる銀髪眼鏡が見間違えることなどありはしないが。化粧も抑えめになって、全体的におとなしい感じになったが、ユリアーナ様の銀髪眼鏡への毒舌は健在である。彼は今日も授業の始まる少し前に、わざわざケンカを売りに来ている。
「な…なんだお前、その地味な髪型は?」
「…は?勝手でしょ?」
「地味な奴とつるんでたから…地味になったのか?」
ちょっと、エーミール様?それは私に失礼では?と、エルナは思ったが…こんな地味な私でも、見てくれる人は見てくれていると思うと、嫌味も気にならないもんだわ。
大体において、ユリアーナ様は三つ編みにはできるが、私は立てロールを巻いてくれるような侍女がいないからマネはできない。似合わないと思うし。
「…本当に、どっか…具合が悪いのか?顔色も悪いぞ?」
「…化粧を薄くしただけよ。相変わらず失礼なやつね。エーミール。」
「ま、まさか…今更、か弱いおとなしい女を演じる気じゃ…」
と、言ったあたりで、ユリアーナ様の蹴りが入った。エーミール様の向こう脛を一撃。痛そう。
「おま…相変わらずだな…。」
「分かっていただけて、何よりですわ。」
誰かに救いを求めようと、一部始終を見ていたクラスメイト達に目をやると…そっとみんな前を向いた。それもどーなの?




