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第3話 衝撃のお昼休み。

リーン、ゴーン、と鐘がなって、お昼休みになった。

午前中は結局のところ高等部の授業内容の説明とか、選択教科を選んだり…剣術か家庭科か、とか、学院内のクラブやサロンの紹介だったり…で、終わった。私とデリアの運んだ資料も配ったし。


さて、お昼ご飯である。


学院内には大きなカフェテリアがあり、お昼が食べられる。高位貴族の皆様は控室をお持ちらしいので、そちらに移動する人もいるらしい。そういう方は、ご自宅からシェフが腕を振るったお弁当を召し上がるに違いない。


クラスメイトがカフェテリアに移動したり、仲の良い子たちで机をくっつけてお弁当を開くのを眺めながら、エルナも大きなハンカチに包んだサンドウィッチと、朝、瓶に詰めてきた紅茶を机にあげる。寮生活のエルナは、朝余ったパンを貰って来た。

みんな驚くほど少食でたくさん余っていた。…正直に、驚いた。


ササっと食べて、学院御自慢だという図書館に行って見ようと思う。


当然、昼食に移動すると思っていた、お隣の…ユリアーナ様?は…相変わらず、ぼーっと外を見ている。


「あ、あの…お昼休みですよ?」

「え?ああ…」


振り向いたユリアーナ様が、ぼーっと私の机の上のお昼を眺めている。え?お昼忘れちゃったのかな?いや…まあ、一応聞いてみるか?


「め…召し上がりますか?」

こくんと頷かれて、逆に一瞬途方に暮れたが、紙ナプキンでサンドウィッチを包んで渡す。持ってきた小さいコップに、瓶のお茶を半分入れて、ユリアーナ様の机に、コトンと置く。


「ありがとう。」


あ、話に聞くよりいい人なのかも。ちゃんとご挨拶できる人は信用できるな。そんなことを考えながら、二人で黙々とご飯を食べる。


そして…私の度肝を抜く事件が発生する!


ご飯を食べ終わって、お茶を飲んでいた。残念なことにお互いに会話は成立しなかったが。そこに現れたのは…


「おや、カフェテリアに来なかったからどうしたのかと思ったら…ユリは今日はお弁当だったのかい?」

金髪碧眼の、美しい造形の男子生徒。…愛称呼び、ということは…ユリアーナ様の…兄妹、ではないわね…婚約者さんかしら?と、いうことは…王子様?


後ろに、これまた銀髪眼鏡の知的男子と、黒髪の険しい顔の筋肉系男子。どっちも綺麗な顔立ち。を連れている。


おお…これはまた…今日は随分とお得ないい日だ。眼福!そう思いながらも、エルナはわざとらしく教科書を広げて眺めているふりをしながら、耳を大きくした。


「ユリ、試験の時は体調が悪かったんでしょう?成績のことなら気にしなくてもいいよ?」

「……」

「進級するときにまた頑張ればいいことだしね。僕は気にしていない。それより、君のいないAクラスの教室は退屈だからね?」

「……」


そう言いながら、ユリアーナ様の髪をひと掬い…。

(うっ、キザね、キザよね。本当にそんなことやる人っているんだ。)


「せめて、お昼ぐらいは一緒に取ろう。わかったね?」

「……」


ちらっと見たが…なんか…めんどくさそうな顔していない?ユリアーナ様!












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