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第11話 エーミール。

「おい。ユリアーナはどうした?」

「え?お腹が痛くてお休みしています。」


秋の王城の舞踏会で、学院の1年生はデビューになる。6月の学院のダンスパーティーは、その予行演習的な要素があるらしい。11時から始まって、立食で昼食が出て、2時ぐらいまで続く。


会場でエルナがもきゅもきゅとオードブルを食べていたら、銀髪眼鏡が近づいてきた。

こいつ…気が付かなかったが…瞳が紫だ。本当にいるんだな…こういう男の子。そう思って見てみると、やっぱり中々にいい男である。性格悪そうだけど。


「はあああっ」

と、そんなに大きなため息をつかれてもなあ。お腹が痛いなんてよくあることでしょ?あの人に限って、緊張のあまり、ってことはなさそうだけど。


銀髪眼鏡が私に話しかけているので、Aクラスの女子からの視線が痛い。

こいつも狙われてるなあ…。まあ、無理もない。


Bクラスのみんなは通常営業だ。会話の内容の見当がついているんだろう。


「あいつは…何がそんなに不満なんだ?」

「さあ?」

「なにか…お前は聞いていないのか?あいつの友人だろう?」


あらまあ!取り巻きではなくて友人なんて表現、逆に新鮮ね。


「スキップしてアカデミアに行きたいと言ってましたけど?王室関係者はスキップできないから悩んでたみたいですが?」

「……」


なんでそんなに君ががっかりしているんだい?

逆にそう聞きたくなるほど、銀髪眼鏡が肩を落として去っていく。


「あの子たちはね、幼馴染で、」


銀髪眼鏡が去って行った後を見計らったようにデリアが慰めに来てくれた。


「中等部に入ったばかりのころは仲良かったんだけど、片や殿下の婚約者候補になって、あの方は殿下の側近に召し上げられて…まあ、そんな感じよ。」

「はあ…。」

「まあ、大事な幼馴染だから、って、応援してるみたいなんだけどね…かみ合わないって言うか、なんていうか…。」

「はあ…。」

「ユリアーナ様は当初から辞退していたみたいなんだけど、殿下が候補を外さないから。」

「はあ…。」

「でも、まあ…冬の大舞踏会には決着がつくから。頑張って!」

「……」


私が?…いや、何を?





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