表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/15

第10話 ユリアーナ様。

ユリアーナ様が剣を構える。綺麗だ。無駄がないし。


ユリアーナ様が指名されて、黒板にすらすらと数式を展開していく。すごいね。


ユリアーナ様が上品に食事をとる。完璧。


…勉強になるなあ…。


エルナはノートにユリアーナ様の観察日誌を今日も付けながら…学べるところは学ぼうと思っている。先日は春の校内ダンスパーティーのためのダンスの練習会もあった。Bクラスで、ダンス講師と踊ったのは、ユリアーナ様。


そうか。当たり前ではないんだな。侯爵家のお嬢さまなら当たり前、と思っていたが、この人はそれだけ努力して来たんだ。

汗ひとつかかずに、踊り終えたユリアーナ様を見て、エルナは考えを改める。


そりゃあ、家庭教師も、ダンス講師も一流の人が付いたに違いないが、だからと言って、本人の努力なしではものにならない。イザベラ様がいい例だ。


まあ…私のように、勉強もダンスも、兄に習った娘とは雲泥の差があることは否めないが。



*****


「入るぞ、ユーリ。」


いつものようにもきゅもきゅとお昼ご飯を食べていた。

お昼休みに、ユリアーナ様の控室に入ってきたのは、銀髪眼鏡。

侍女と話をして笑っているところを見ると…昔からの知り合いなのかしらね?


「なによ?」

「あのなあ…イザベラは放校処分になった。泳がせていた甲斐があって、あいつの家も取りつぶしになるだろう。」

「…そうでしょうね。で?私に何か用?」


おいおいおい、ついに個人の控室に来てまで口げんかか?

エルナはうんざりしながら成り行きを見守る。


当たり前のように椅子に座って、侍女が運んできたお茶を飲む。ついでに、ご飯も食べている。この人…なに?


「相変わらず…お前の家のシェフは腕がいいな。」

「まあね。」


(……)


「で、ご飯を食べに来たわけじゃないんでしょう?」

「ああ。今度の学院のダンスパーティーの件なんだけどな。」

「……」

「おまえ…ちゃんと殿下と踊れよ?」

「…そんなこと言いに、わざわざ来たわけね?」

「え?ああ。」


そうだな。王子妃候補は2人になったわけだし。


黙々と食べる二人に負けないようにご飯を食べながら、エルナは思った。


なんだかな。この二人はいとこ同士?とかかな。

銀髪眼鏡はひたすらユリアーナ様の応援をしている、って感じか?

まあ…侯爵家としても王子妃になったら嬉しい?かな。関係のある家門なら、応援もするだろうし。



そして…銀髪眼鏡が心配していた学院のダンスパーティーの当日…ユリアーナ様はお腹が痛くて学院をお休みした。









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ