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第二十三話 名案

今回の登場人物


■ ▢ ■ ▢


・三ツ谷 華 (みつたにはな)

蓮太と同じく乙名学科を専攻、卒業し、沙汰人として、周囲からは女史と称える人格者。監査人といわれる権力に打ち克つ役職として、活動を開始した。前髪パッツンのボブスタイル、青いタータンチェックのベレー帽を被り、服装も気品漂うお嬢様スタイルに変貌。


・羽黒 宗助 (はぐろそうすけ)

乙名専攻学科卒業後、官人を束ねる官人所役となって活躍。黒の燕尾服に白のウィングシャツに黒のリボンにシューズを履いて如何にも紳士的な服装。


・冴島 五郎 (さえじまごろう)

乙名専攻学科卒業。日輪在住。時が経ち、宗助と同じ官人所役・日輪支部にて活躍。正義感が強く人道的だが応用の利かないところもある。今はスーツにネクタイ、シューズという姿で、祖柄樫山の闇の事件を追う。


・浦路 光之介 (うらじこうのすけ)

日輪の宝石商。宝石箱の唯一の生き残り。冴えない商人だが、ここ数年で大きく利益を出す。華らに命を救われ、協力することを誓う。違法なる南蛮人・ロベルト・ロマノとの秘密の取引場所を知る人物。


・福本 惣之助 (ふくもとそうのすけ)

置田村の南地区・日輪の刀禰。日輪の刑務長。出世欲が強く、豊倉の力で刑務長になる。武道にも精通しているが、自分が出向くのは最後という考え。


ーーー


・忌部 耕助 (いんべこうすけ)

ある場所で仙術を幾つか修得したという神出鬼没の謎の中年。頭は禿げ上がっているが、宣教師の様な服を纏い、紳士的な振る舞いを見せる。若い男性を愛でる趣味を持つ。


・雪平 若子 (ゆきひらわかこ)

忌部の教え子。中性的の魅力が溢れる美男子。紳士的であるが、殺しを生業とし、袖下にワイヤーを仕込む。化粧とお香を愛する自己愛と同性愛を重ね持つ。暇があれば常備するスカーフを手で靡かせる。


ーーー


・赤島 猛 (あかしまたける)

元は盗賊で奴隷商人。野崎飛助に従い、一揆以前から兵士として活躍した男。蓮次と飛助に指名され、乙名に成り上がった。現在は野崎に切り捨てられた為、杏と桃、双子の協力を得て、置田村征服を狙う。手始めに美咲と、その領地である秘八上の攻略を開始した。酒と女にだらしなく、不道徳な男だったが、女中・岬に人としての愛を感じ取ると、覚醒し、野望を捨てた。


・伊山 岬 (いやまみさき)

日輪の宿・波の新人女中。赤島に気に入られるも、悪い扱はされず、健全な関係で距離を保つ。いつしか赤島の良心を理解し、寄り添う気持ちが芽生えた。彼女も赤島の良心に、本当の恋を抱いたのかもしれない。


※二人の悲恋な死に黙祷を。


■ ▢ ■ ▢

違法宝石の流通を探る華は、次々と暗殺されていく重要参考人を保護することを考える。

華と宗助は、手に入れた顧客名簿に載る人物を追うも、❝宝石箱❞の顧客たちは、次々と暗殺されていくのだった…

華と宗助は、桐谷医院で死体と密書を見つけると、浦路と水本(貴婦人)が宿屋・波にいる事が発覚。

急ぎ、保護へ向かい、受付前で張り込んでいた。

華が外へ見に行くと、暫くして雪平と忌部が入ってくる。

不覚にも睡眠薬を混ぜたお茶で眠らされる宗助。

一方、外へ探しに行った華は、暫くして浦路を発見、話しかけ、保護する旨を伝える。

宿へと戻ると、眠らされた宗助から暗殺者・雪平若子と断定する。

急ぎ部屋へと向かう華と浦路は、惨殺された水本とその愛人を前に、憎悪と悲しみの気持ちを抱く。

浦路から、【宝石箱】の正体を聞くと、その一人【薔薇】は、祖母屋だった。

そして浦路が違法宝石を取引していたのは南蛮人で、その者の名も明らかとなるが・・・



「ロベルト…ロマノ…か。」

「何処にいるの?」

「そこまでは…出会ったのは僕の宝石商を訪ねてきたので、そこから…ただ、商売内容は無許可の宝石を高値で売るので、人目は避けたいと言われ、指定日に禁足地の谷川・吊り橋付近で取引をしてます。」

「貴方を暗殺した黒水晶は、今後の取引をどうする気かしら?」

「…さあ?もしかしたら既に代理人がいたのかもしれません…」

「次の取引予定はいつなの?」

「変更がなければ、来月の7日です。」

「それを知るのは?」

「黒水晶に薔薇、恐らく他の幹部も知っているかも…」

「来月まで、また待機…か?」

宗介が華の顔を伺う。

「祖母屋を叩くのは危険かしら?」

「…藤香さんに拘束・罪状が認められれば…だろう。固めてないうちに叩いても、恐らくは逃げられて、顧客のように殺されるだけだ。」

「…顧客の…ように…か…」

浦路は俯くと、華はその姿に貴婦人・水本の残酷な最期を思い出す。

「そうよ、皆殺された。」

「え?」

「いいわ、私に名案がある。祖母屋を叩きましょう。」

華は自信ある決断を胸に、お茶を啜る。


ートントン


「あら?はーい。」

華が玄関の扉を開ける。

「夕食、御持ちしました。」

「あ、どうもすみません。手伝います。」

華が女中を中へと入れ、扉を閉めると、配膳を手伝う。

廊下には閉まった扉の前を、二人の下働きの格好の男が、他の部屋の配膳の準備をするために通り過ぎていった。

「この先だったかな、若子君?」

「ええ、この先ですよ耕介さん。」

不気味な微笑みを交わしながら、忌部と雪平は赤島暗殺を企てる。


ここまでが本編で赤島が暗殺された前夜の話であった。



◎和都歴452年 3月22日 8時 置田村・日輪 宿屋・波


「何?死体が?」

「ええ。宿中大騒ぎよ。」

「わかった。いこう。」

「浦路さんはここにいて。すぐ戻るわ。」

「わ、わかりました…」

華は宗助と部屋を出る。

「華には刺激が強いかも…冴島と合流する日だし、彼が外にいないか見てきてくれるか?」

「わかった!」

「あ、華!」

「何?」

「くれぐれも気を付けて。」

「うん、ありがとう。」

華は宿の外へ、宗助は騒ぎのする部屋へ向かう。


華はこの時、冴島と合流する。

※第10章・24幕 相即不離 より


2人は宗助の元へと急ぐ。


「こ…これは…」


…赤島と岬が、裸で抱合って死んでいた。


「酷い…」

華は宗助の後ろに隠れ、目をそらす。

「男は赤島…だよな?」

宗助は目を疑う。

「一体…誰に殺ー」

「ー誰に?心中だ。」

「え?」

華らの背後から、福本が一言で終える。

「福本さん…?まだろくに調べもしてないでしょう?」

「調べるも何もない。見たままだろうに。」

冴島の訴えに、福本が鼻で笑う。

次回2025/1/12(月) 18:00~「第二十四話 暗殺の裏側」を配信予定です。

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― 新着の感想 ―
赤島殺害も計画的犯行だったんですね。ほんとに悪い2人ですね。
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