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第二十一話 保護

今回の登場人物


■ ▢ ■ ▢


・三ツ谷 華 (みつたにはな)

蓮太と同じく乙名学科を専攻、卒業し、沙汰人として、周囲からは女史と称える人格者。監査人といわれる権力に打ち克つ役職として、活動を開始した。前髪パッツンのボブスタイル、青いタータンチェックのベレー帽を被り、服装も気品漂うお嬢様スタイルに変貌。


・羽黒 宗助 (はぐろそうすけ)

乙名専攻学科卒業後、官人を束ねる官人所役となって活躍。黒の燕尾服に白のウィングシャツに黒のリボンにシューズを履いて如何にも紳士的な服装。


・浦路 光之介 (うらじこうのすけ)

日輪の宝石商。冴えない商人だが、ここ数年で大きく利益を出す。違法なる南蛮人との関わりもあると言われる。


■ ▢ ■ ▢

違法宝石の流通を探る華は、次々と暗殺されていく重要参考人を保護することを考える。

華と宗助は、貴婦人を捜索・保護をしに、冴島は浦路を捜索・保護しに向かった。

しかし、顧客名簿に載る人物には密書が配られ、特定の場所で待ち合わせをする旨が記載されていた。

❝宝石箱❞の顧客たちは、そこへ足を運ぶも、次々と暗殺されていくのだった…

華と宗助は、桐谷医院で死体と密書を見つけると、浦路と水本(貴婦人)が宿屋・波にいる事が発覚。

急ぎ、保護へ向かい、受付前で張り込んでいた。

華が外へ見に行くと、暫くして雪平と忌部が入ってくる。

見張る宗助は背後から声をかけられた。しばらく雪平と話をする内に、睡眠薬を混ぜたお茶で眠らされる宗助。

一方、外へ探しに行った華は、暫くして壺装束と市女笠の水本を発見、同時に歩く浦路らしき人物も発見する。

浦路と水本は一度別れ、宿で合流する話をすると、別れた。

華は浦路を追い、話しかけた。

「あなた、浦路よね?」

「な…何だ?君は?」

「私は監査人・三ツ谷華。あなたを助けに来たの。」

「え?」



◇和都歴452年 3月21日 15時 置田村・日輪 宿屋・波  近郊


「私を?助けたい?」

華は頷くと、密書を見せる。

「…! それをどこで?」

「桐谷医院。彼女は殺されていたわ。」

「何?」

(てい)よく宝石と宝石箱なる組織の人間を集め、口を封じていく。次はあなたよ?」

「ま…まさか…!」

「何にしても危険だわ。宗助(なかま)と合流して、あなたを保護してもらう。いいですね?」

「…信用しろと?君の言葉を信じようにも...」

「では宿へ。そこにはあなたの仲間、水本さんもいます。人が多い場所なら暗殺者もさすがに手は出さない。このままじゃ二人とも危険だわ。」

「…わかった。いいだろう。」

浦路は華と共に宿へ移動する。


「あれ?宗助は…」

華は浦路と宿に着くなり、宗助を探す。

「あれ…宗助!?」

華は椅子にもたれ掛かる宗助に走り寄る。

「大丈夫?宗助!宗助!?」

「…あ、ああ…」

目を(くら)ましながら起き上がる宗助。

「何があったの?」

「…いや、妙な男が…」

首を振りながら思い出す宗助。

「男?まさか…あの2人組?」

「わからない…」

「雪平若子?」

「!」

ピンときた宗助。

「そうなの?」

「わからない…ただ…もう1人が若子君と…」

「そうよ、年増のお洒落な男性で…」

「禿げた爺さんだろ…」

「間違いないわ。」

華は頷くと、客室へと向かい出す。

「華、待て!1人じゃ…危険だ…」

宗助はよろめきながらも立ち上がる。

「無理よ、大丈夫、力はなくても翻弄する知恵くらいあるわ。」

「しかし、華に何かあれば…俺は…」

「ありがとう。」

華は微笑んで返す。

「浦路さんも手を貸して?」

「も、もちろんだ…」

2人は客室へと向かう。


「この部屋だ。鍵が閉まってるな…」

浦路がノブを確かめる。

「すみません、布団の交換にきました。開けますよ?」

「開けるって?」

「しっ!」

小声でやり取りする華と浦路。


ーカチャカチャ…カチン


ピッキングする華。

「スゴいな…」

「知り合いの忍者に教わったのよ。」

中へ入る2人。

「誰も...居ませんか?」

華が恐る恐る声を出す。

「奥の寝室へ…行きましょう…」

「は、はい…」

2人は寝室へ忍び足で移動する。



水本が…吊るされていた…



「きゃっ!」

華が声を出す。

「ひ…酷いな…」

浦路は水本の遺体を降ろし始める。


…チョロチョロチョロ…


水の音に気が付く華は、その方向へと一人歩き始める。

浦路は、水本の遺体を寝かせると、華が戻らないことに気が付き、同じく水の音のする方へと移動する。

「三ツ谷さん?」

浴室に華は呆然と立っていた。


「…彼は、彼方と間違って殺されたのよ。」

素性の分からない、水本の愛人らしき男を見つめていた。


男は浴槽に、両腕をお腹にキツく縛られ、沈んでいた。


「…なんてことだ。」

(すさ)む浦路。

「答えて。宝石箱って何なの!?」

珍しく華が声を荒げる。

「…」


-パシ!


「痛ッ…!」

叩かれる浦路。

「まだまだ犠牲者が出ないと分からないの?彼方は自分の金が増えれば他人はどうなってもいいの?」

「わかった…わかったよ…答えるから…」

「来て。宗助のことも心配だわ。」


関係者の口を封じるため、非道なる仕打ちを重ねていく宝石箱。

華に滾る浦路への憎悪と救済の気持ちを胸に、二人は受付のある広場へと戻る。

次回2025/12/26(金) 18:00~「 第二十二話 休息」を配信予定です。

   

※12/5(金)~12/26(金)は年末年始・強化月間です。

期間中は毎週(金) 18:00に投稿致しますので、御期待下さい。

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― 新着の感想 ―
どんどん人が殺されていきますね。宗助と華は無事解決して帰れるのでしょうか?
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