第17話 神しか知りえない真実
スコット王太子と2人きりになった小部屋。
彼はスザンヌに、母である王妃・サファリーヌについての悩みを打ち明けた。
母である王妃サファリーヌは、貴族・王族の男たちと奔放に遊び回っている。
国王スコット6世は精神を病んでしまった。
さらにサファリーヌは、スコット7世が不義の子であるという噂を懸命に流していた。
スザンヌがいう。
「王妃が今になって、あなたに王家の血統がないと主張しだしたのはなぜだと思います?」
スコット王太子が言う。
「生まれたばかりの孫娘をセーヌ国・グランド国の共通の王にしようとしているからだ。母はそれによって大きな権力を握ることができるからね」
「もちろんそうです。でもそれだけではありません」
スザンヌはこう続ける。
「あなたの母はだれよりも、あなたが正統な後継者の血統だと身を持ってわかっているからです。自分が産んだ子供ですから。女なら、誰が父親かは、わかるものです」
スコット王太子は、はっとした顔でスザンヌを見つめる。
スザンヌはさらに付け足す。
「普通に考えれば、これまでの経緯は、あなたに王家の血統があると証明することばかりです。それを覆せる唯一の証言は母親の言葉しかありません。だから王妃は火のないところに煙を起こそうと、必死になっているのですよ」
スザンヌが力を込めて言う。
「つまり、あなたは間違いなく、エール王国王家の継承者なのです。あなたは国王のスコット6世様が元気なころに、王妃との間に生まれた子なのです。私のもとを訪れる神様も、そうおっしゃっています」
スコット王太子は顔を輝かせて大きくうなずいた。
最後にスザンヌはスコット王太子に告げた。
「私は王太子様をクレバにお連れします! 大聖堂で国王の戴冠式をあげていただくのです!!」
スコット王太子は。スザンヌとともにマルカ城の大広間に戻った。
王族・貴族たちがざわつき、視線が2人に集まる。
スコット王太子は宣言した。
「乙女・スザンヌは神の使いだ!」
皆が、しんと静まる。
王太子が続ける。
「神にしかわからないことを、スザンヌは教えてくれた。彼女はセーヌ国を救うために天から使わされた、聖なる乙女なのだ」
そこにいる全員たちが大きな拍手を送った。
拍手はしばらく、鳴り止まなかった。
貴族や王族たちはスコット王太子の大きな変化に気付いていた。
これまで王太子は、すべてを諦めたような曇った表情で日々を過ごしていた。
しかし今は、輝くような前向きな顔をしている。
そして国王として立ち上がろうとしている。
国が滅亡の危機を迎え、誰もが不安な気持ちに覆われている中、初めて明るい兆しが見えた。
そんな皆の気持ちが、今の拍手の渦に現れていた。
明日は19時50分過ぎに投稿しますね♡




