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7 職業登録


 2つ目の称号はスキルポイントの付与より少し早く、アセヴィルが俺の頭に手を置いたぐらいの時だな。あの時確かに後回しにしたメッセージはあったな。これの事か。

 称号の内容も見ることは出来るが内容が変更されているらしい。


――――――――――


【―――加―(状態:秘匿)】

加護の情報が秘匿されており、関係の無い者は加護の存在が認知できない。

加護の情報を開放状態にするには加護を掛けたモノと加護保持者の二者の承認が必要です。

第三者が加護を認識、および第三者に情報を開示する場合も上記の手順が必要です。


――――――――――


 ゲーム内掲示板に載っていた情報だが、職業登録組合で登録できる職業が現時点でも50近くはあるらしい。剣を扱うものや術系のもの、生産職なんかも色々あるらしい。

 これらの中には特殊なものもあるらしく、複合職の『火剣術士』だったり『風弓術士』等があるらしい。これらの複合職はスキルレベルが一定以上でないと出てこないらしい。


 複合以外にも特殊な職業はあるらしく、初期選択可能な術の中で『下位聖魔獣霊契約術』を選択し、何らかの聖、魔物と契約をした後で職業登録をすれば、『見習い契約術師』というものが出てくるんだそう。

 『下位聖魔獣霊契約術』を持っていても何とも契約をしなかった場合は出てこないらしく、一体以上の聖、魔物と契約することで、選択することが出来るんじゃなかろうか。というのが掲示板の人たちの考察となっている。


 ゲーム内掲示板を見ながら自分はどの職業にしようか、と考えながら頭を上げると受付まであと少しのところまで来ていた。

 職業登録がどのくらいの時間ようするのかわからないが、あと少しもすれば俺の番になるだろう。



     △▼△▼△


「職業登録組合へようこそ。職業登録受付のローザと申します。

 早速ですが、登録者様の選択可能職業をご確認いただくため、こちらの道具に手をかざし、“職業を”と念じていただけますか?」

「分かりました」


 数分後、俺とカウンター越しに相対しているのは1人の女性。

 ローザと名乗ったその人は早口の様に話し、カウンターの下から1つの道具を取り出し、示した。


「“職業を”と念じていただければ登録者様の脳裏に選択可能な職業の一覧が出てきます。

 その状態で登録したい職業を思い浮かべていただけましたら、この道具から1枚のカードが出てきます。

 カードが出てきてからはその時に説明いたします。ではお願いします」


 その言葉を聞き、その通りにする。

 道具に手を置き、


 ――職業を――


 そう念じたら、脳裏にではなく目の前に1つの仮想ウィンドウが出てきた。


――――――――――


 選択可能職業

 ・見習い剣術士

 ・見習い杖術士

 ・見習い水術師

 ・見習い鑑定士

 ・見習い魔水術師

 ・見習い―水術師


――――――――――


 上4つは順当に持ってるスキルから出た奴だろうけど、下2つは何だ?

 魔水なんて聞いたこともないし、その下については真面に見えないし。

 でもまぁ、この2つが出てる原因はあの称号だと思うけど。


 どれにするか。杖術士と鑑定士は論外でしょ?

 剣、水、魔水、ほにゃらら水。この4つから選ぶとして、一番強そうなのは何とか(ほにゃらら)水で、安牌を取るなら剣か水のどっちか。

 うーん。


 よし、決めた。

 一番強そうなのにするか。


 そう思った瞬間、手をかざしていた道具からプシューと音が鳴り、金属で出来ていると思われるカードが出てきた。そこには選択した職業と俺の名前が記されていた。

 それと同時に仮想ウィンドウが出てきた。


――――――――――


職業:“見習い―水術師”が選択されました。

現在のレベルでは全ての力は発揮されません。


――――――――――


 仮想ウィンドウのメッセージを読み終わったタイミングで受付のローザが喋り始めた。


「職業が無事登録できたようですね。では、そちらのカード、職業カードの説明と職業の再登録、再発行、職業のランクアップについての説明をさせていただきます」


 そう言ったローザは先ほどの道具を仕舞うと、カウンターの下から1枚の羊皮紙を取り出した。

 それにはカードらしき絵が描いてある。


「こちらの図は職業カードの定型となります。

 カードの左上には登録者様のお名前が記されています。そのすぐ下にはこのカードの発行日時が刻まれます。

 そしてそのすぐ右には選択された職業が刻まれます。此処まではよろしいですか?」


 その説明通り出てきたカードは上下で1:2の様になっていて、その上の部分に名前と日時、職業が書かれている。

 そして理解できたので頷いておく。


「ご理解されたようですね。では続きまして、カードの下の部分の説明となります。

 この部分には冒険者ギルドや生産者ギルドでのランク等の情報が記される場所となっております。

 詳しい説明はそれぞれのギルドでお聞きください」


 そこでローザは一度説明を止め、テンプレが書かれた羊皮紙を仕舞った。

 顔を上げたローザは次の説明を始めた。てっきり次の説明も何らかの図などで説明するのかと思ったが、違ったようだ。


「職業の再登録及びカードの再発行はカードの紛失及び職業変更の場合のみ受け付けております。

 職業変更の場合のカードの再発行費用は100万Fとなります。カードの紛失の場合の再発行費用は100万Fに加えて1000万Fを払っていただきますのでご了承ください。

 職業のランクアップの場合、カードの再発行はありませんが費用として10万Fをいただくことになっております。

 以上で職業カードに関する説明を終わります。何かご質問はありますか? 無いようでしたらこのまま職業カードの写しの作成に移らせていただきますが」


 特にわからなかった部分はないのでそのまま進めてもらうか。


「質問は大丈夫です」

「畏まりました。それでは登録者様のカード情報の写しの作成に移らせていただきます。

 こちらの紙に職業カードを押し当てていただけますか?」

「分かりました」


 どういう原理なのか解らないが、これがこの世界の技術なのかそれとも神のような存在が創った物なのか。

 何れにしてもこういう世界ではすごい技術だろうな。


 カードをよく解らない紙に押し当てること5秒弱。


「もうカードを紙から離してもらって大丈夫です」


 そう言われ紙からカードを離すとその紙にカードに記されているものが全て写されていた。


「ありがとうございます。以上で職業登録の手続きは終了となります。

 職業カードは失くさないようにお願いします。もし失くしてしまったら先ほど言ったように100万Fと1000万Fのお支払いになりますから」

「ん、分かりました。ありがとうございました」


 そう言ってカウンターの前からどき、出口に向かって歩いていく。


「ありがとうございました。お気をつけて」

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