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176 情報整理


 一先ず情報の整理をするため、自室へと戻ってきた。

 アセヴィルが全員を集めたあの場で、ムーちゃんは全てを話した。既に何人かには一定以上の情報を話していたから、っていうのもあるだろうが、それ以上に、自分のために動いてくれる、そんな状況になり得るから話せる限り話した、とそんな感じだろう。


 そのあと、何故か俺の今やっていることも話せとアセヴィルに迫られ話したが、特にそれについて深掘るようなことはなかった。じゃあ何故聞いたんだ、と言いたかった。が、俺の話の後すぐにアセヴィルが締めの言葉を言い、その場は解散となり、その機会は訪れなかった。

 最終的に、このパーティーは今後、一先ずはムーちゃんの『打倒研究所』という目的に向かって進むという事になった。



 で、肝心の情報整理は、その研究所のこともあるが一番は俺の目的である、幻想術関連について。

 いろいろ情報が転々としすぎてるような気がしたから、この機会に一度、1本に纏めようかと思って。事の始まりから今現在、そして今後についての、ある程度の道筋を。


 まぁ幻想術単体であれば、ちょっと前にも一度纏めた記憶があるから、そこだけは気持ち程度でいいだろう。

 真に纏めるべきは神様関連の部分だな。儀式やらそれの術陣とか。


 えーと、まず、幻想術は、霧術と水の神と光の神の加護があって初めて取得できる。詳細に、霧術のレベルがどこまで必要か、神の加護を得ればすぐに幻想術が扱えるようになるのか、など、そういったところまでは判らないが。

 霧術に関しては狭霧木で取得したいが、師匠と連絡が取れない事には進まない。順序的に、ハーリャ様の後では少し遅いだろうけど、それまでに狭霧木が入手できてなかったら考えてみるべきだろう。

 そして、ハーリャ様でも連絡が取れないのだったら、ドトゥラーユのドラバドンまで行って、ギルドにでも手紙を届けてもらうかな。


 肝心要、神の加護。その内、ペク様によればすでに水の神の加護は持っているらしいから、考えるべきは前述の通り、光の神ハーリャ様の加護だけ。

 ハーリャ様と連絡を取る手段として、火術などの術陣に存在しているらしい「神へ人の声を伝える門」の部分をナールとファントスが解析し、自由に使えるようにして新たに、光の神ハーリャ様との連絡専用の術陣を作成する。


 元、というか参考にした原案の儀式では、それぞれの神に適した場というものが必要らしいが、俺が探した本にはそれぞれの神が好む環境について書かれたものもあった。それによると光の神ハーリャ様は、光の神と言うように、そこがどれだけ血に塗れた場所であっても、どれだけ属性的に偏っていても、光が十分に差す場であれば好むという。

 この、十分に、というのが具体的にどれだけかはわからないが、まぁ青空が存分に望めればいいのだろう。変に屋内とかでない限り。

 という事で、神に適した場所の選定は、対象が光の神である限り簡単。


 一番の問題、壁となるのは、やっぱり術陣の作成になるだろうな。

 「伝える門」の部分の解析だけで儀式の術陣として機能すればいいが、他にも必要なモノがあった場合、それが何なのか考えないとだめだな。その足りない部分が原案の儀式にも入ってる機能だろうけど、その原案の術陣を見ることができない以上、ナールとウァラの話から機能の推測をするしかない。

 で、その推測が当たってたとして、それを術陣に起こせるかどうかってことにもなるんだよな。術陣として作ることができなければ、意味ないから。



 神象文字の解読への参加を断念、脱落した身ではあるものの、できる限りその部分の手伝いはしたいところ。


 そこで、考えに考え、考え抜いた結果、俺にできることがあんまり無いという結論に至った。

 勿論何かしらできる事というのはあるのだろうけど、今の俺が考え得る限りではない。

 錬金のアーツの術陣を写してナールに渡す、というのもできるだろうけど、それでは情報が少ないだろうし……。

 というかそもそもそういう術陣っていうのは、既に本なんかに纏められているんじゃなかろうか。


 という事はつまり、俺がすべきは神伝図書を漁ること、になるかな? 漁って少しでも多く術陣のサンプルをナール達に渡すか。

 俺がこうしたところで、あんまりナール達の負担が減るわけじゃないだろうけど、サンプルは無いよりあった方がいいだろうし。


 そもそも、本来は俺がすべきことだろうに、その部分の全てをナールとファントスに投げちゃってるんだよな。もとよりその方向の研究をしてて、ちょうどよかったのはあるけど、だからこそ、俺の力不足で直接的に手を貸せないのはな。

 どうしようもないことではあるけど――いや、ただ俺が理解できればよかっただけの話だから、どうしようもないことはないか。


 まぁ何にしても、俺は俺でできることをするしかないな。

 そのために、できる限り神伝図書館に籠って知識を集めつつ、偶には錬金なり戦闘なりで気分転換ついでに、レベル上げも並行して行っていくとしようか。

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