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101 襲うために


 現実では朝7時、こっちでは深夜1時。

 ログインしてすぐに聖王国の王城、その中庭へ移動する。


 昨日は闘技場から追い出された後、1時間の猶予は無視してそのまま聖王国の王城に宛がわれていた部屋でログアウトした。

 だからあの後何かがあったとしても何も知らない。


《闘技場での戦闘行為によりLv.58からLv.67に上昇しました》

《神前の闘技トーナメント:順位3位の報酬としてスキルポイント50及び称号“神前の闘技トーナメント3位”を贈呈しました》

《剣術Lv.47からLv.52に上昇しました》

《条件を満たしました。双剣術Lv.1が取得可能になりました》

《烈水術Lv.32からLv.39に上昇しました》

《烈火術Lv.21からLv.26に上昇しました》

《烈光術Lv.16からLv.18に上昇しました》

《烈闇術Lv.16からLv.17に上昇しました》

《空間術Lv.3からLv.6に上昇しました》

《魔術Lv.15からLv.21に上昇しました》

《聖術Lv.8からLv.15に上昇しました》

《魔力操作Lv.37からLv.42に上昇しました》

《聖力操作Lv.10からLv.16に上昇しました》

《魔纏Lv.22からLv.25に上昇しました》

《聖纏Lv.5からLv.9に上昇しました》

《――――――》

《――――》

《――》


 ゲーム内掲示板を流し見しながら中庭に向かって歩いていると、思い出したかのように勢いよくログが流れ始め、スキルのレベルが更新されていった。

 称号も増えたという事でステータスを確認する。ついでに取得可能となったスキルも確認して取得する。

 取ったスキルは双剣術Lv.1と、いつから取れるようになっていたか分からない毒術Lv.1の2つ。


 ステータスの確認も終わり再び歩きながら掲示板を確認していると、ちょうど数時間前の投稿でマテラス様を筆頭に神霊が今後の行動について発表したとあった。

 その内容は、『この件に関して国の防衛などには我々神霊は一切の関与をしない』というもの。

 一見すると見捨てたかのように思える文章だが、実際のところ神霊たちは神霊たちで吸血鬼たちの根城に突撃するらしい。そして、そこでなんやかんやするのだとか。


 なんやかんや、ねぇ。何をするんだろうな。

 まぁいいか。俺は俺でたぶんここの防衛になる、いや、まぁその時いる場所の防衛になるだろうし。



 で、そんなこんなで城の中庭に着いたけど、俺を呼び出したアセヴィルは何処に?

 特に時間の指定は無かったからいつも通りにログインしてそのまま直行したけど……。朝ぐらいにログインした方が良かったか?


「お、既に来ていたか」


 その声の方を見てみると、いつも通りの格好をしたアセヴィルが歩いてきていた。


「まぁ、起きてすぐではあるけど」

「そうか、まぁ……、そうだな、早速だが本題に入ろうと思う」


 今何か言いかけなかったか? 何か言おうとして、やめたように聞こえたけど。

 なんだったんだろうか。結局言わなかったってことは、そんなに大事な事でもないんだろうけど。

 頷いて続きを促す。


「急にはなるが、今日より魔王国跡地へと向かう。連れて行くのは、お前はもちろんのことウスヴァート、そしてウァラエル、この2人も連れていく。他は、それぞれの契約獣霊ぐらいだな」

「なるほど? なんでまた魔王国まで行くんだ? アセヴィルはそこから来たはずだよな?」

「そうだな……、いや、それはまた後で3人が揃った所で言うとしよう」


 とのことなので、スヴァさんとウァラを待つ、のか?

 ウァラはともかく、スヴァさんには昨日のうちに連絡を取っているのだろうか。取ってなかったら、ここからスヴァさんがログインするまで待つことになるけど……。


「ウァラエルには昨日のうちに、この時間にここへ来るよう伝えている。が、ウスヴァートには伝えられていないから、運良くこの世界へ来るのを待つしかないな」

「あら、そうなのか」


 スヴァさんは、どうだろ。いつも通り、というか一昨日までの通りにログインしてくるなら、今日もこの時間ぐらいにはなるはずなんだけど。

 まぁ気にしないでいいか。


「で、魔王国に行くのは分かったけど、今日揃い次第出るのか? それとも何か準備してから行くのか?」

「どうしような。詳しくは決めていないが、まぁ今日中にでも出発できたら御の字だな」

「なるほど、じゃあまぁ、ある程度はゆっくりしてもいいと」


 御の字と言うからには、無理に今日中に出ないといけないわけでもなさそう。だけど、今日中に出た方が何かいい事があるんだろうな。


「あ、少し遅かったかな?」

「ん、いや? 言うほど遅くは無いな。細かく時間を決めていたわけでもないし」

「そう? ……それで、お話って何?」


 少し眠そうな声をしたウァラがやってきて、アセヴィルと言葉を交わす。


「ウスヴァートがまだ来ていないが、まぁまた後で話すとするか。ウァラエルにはどこまで言ったか。確か……、イズホと同じで魔王国に行くというところまでだったか?」

「そ、のはずだよ」

「うん。で、何故いま魔王国へ戻る、行くのかというと、神霊たちと共に吸血鬼の本拠地を襲うための準備をするためだ」


 つまり? 吸血鬼たちの襲撃が始まったら、それを無視して本拠地を襲撃するための準備をするために、魔王国へ行くという事か? つまりも何もそのまんまだったな。

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