表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
97/488

旅17

 変形した巨大像は破壊された腕を切り離すと、新しい腕に変わる

 ド、ドリルだぁああああ!!

 ドリルの腕がガシャーーンと出て来て思わずかっこいいと思ってしまった

 さらに銅像のような姿から、完全にロボットのような、現代的なアンドロイドのような姿に変わる

 しなやかなボディに無機質で何もないのっぺらぼうのような真っ黒な顔 

 銅像部分をパージしたからか、動きがかなり機敏になってる

「この世界で手に入れたレアメタルで出来た僕の作品だ。外は魔鉱だったけど、中はヒヒイロカネさ。固くしなやか。ヒヒイロカネが無ければできなかった。やれ! 僕のエンジェル!」

 姿は女性的になって、美しいとさえ思う

 でもその攻撃性は天使とはほど遠い

「危ないメアリー!」

 速い。あやうくメアリーがドリルでズタズタにされるところだった

 そこをエルヴィスがカード魔法で防ぐ

「あ、ありがとうエルヴィス」

「イチャイチャはあと! すぐ次が来るよ!」

 私は妖力を体に循環させる

「妖術、赤御霊!」

 二本の尾から鬼火のような真っ赤な魂の塊を召喚する

 これは相手を焼き尽くすまでまとわりつくいわば炎の塊で、亡くなった猫たちの協力の元作られる

 妖怪になったことで実は死猫と会話ができるようになったのよね

 そんな死猫たちも私の能力で、協力者として登録されてる

「ふん、炎が僕のエンジェルに効くとでも?」

「効かなくても効くまでまとわりつくのよ。この子達はしつこいよぉ」

 確かにあの高温にさらされても全く意に介していない

 これは長期戦になりそう

「エンジェル、その鬱陶しいのを消せ」

 ドリルじゃない方の腕で私の赤御霊をグッと掴むと、紙をこねるかのようにぐしゃぐしゃと潰し、なんと消し去ってしまった

「嘘、霊体だから物理攻撃なんて効かないはずなのに」

「そのくらいの対策しないわけないじゃん。あったま悪い猫だな」

「ムカァ!」

 こいつ、言っちゃいけないことを言ってくれたね

 こいつぁ久々にキレちゃったよ

「妖術、幻影踏猫! 踏み抜け!」

 超巨大な猫を召喚

 その猫がマーセルごとエンジェルと踏みつけた

「うわ、うわわっわ! ちょ、何それ聞いてないって!!」

 ドガァアアンという音が響いて、辺りがぐらぐらと揺れる

 そしてエンジェルはグチャグチャにつぶれた

 マーセルはというと、無傷だけど泡を吹いて白目をむき、失禁しながら気絶していた

 舞い上がった土煙が晴れると、マーセルの意識がなくなったことで動かなくなったエンジェルが立ちすくんでいる

 実はこの技、その名の通り幻影で、脳を騙すだけ

 ただ騙された生物は本当に踏みつけられたと思って、下手したら死んじゃうような力

 つまりマーセルは本当に踏みつぶされたと思って気絶しちゃったってわけ

「このおしっこもらし、どうしよう?」

「街で捕まえてもらおう」

 マーセルを縄でぐるぐる巻きに縛って、街に引き渡すことにした

 それと、彼から魔王に関する情報も聞かないとね

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ