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帝国十二覇人5

「フハハハ、やはり、やはりだ。いいぞサンディエナ。お前のおかげで上手くいった」

「あ、う・・・」

 涎を垂らし、焦点の定まらない虚ろな斜視で少女は回復魔法をかける

 かけられているのは帝国十二覇人にして、帝国の皇子であるドミトリ・ラーゾリア

 力はないが、独特な剣術は達人と言っていいほどの実力者だった少年だ

 彼もまた脳の一部を切り取られ、体を改造されて、白衣の女性、プロフェッサーのコマとして動き出す

「やっぱりただの洗脳じゃだめだな。あの女の力も使いようによっては便利だが・・・。如何せん耐性が強い者は洗脳が解けてしまう。アリュエナのように」

 ムクリと起きあがるドミトリ

 彼はプロフェッサー自ら傷を縫合したサンディエナと違い、焦点も定まり、傷もない

「さて、いよいよ最後の一人だ。ついて来いサンディエナ」

「あああ、う」

 サンディエナはプロフェッサーの後ろについて歩く

 その目からは、傷のせいなのか分からないが、涙が一筋零れ落ちた


 別の研究室でプロフェッサーは脳がむき出しになった女性を前にニタリと笑う

 その女性はしっかりとプロフェッサーを見ていた

 その目は恐怖に歪んでいる

「いい目だ。その恐怖が君を変えてくれる。ヴィネシア、君はこれから更なる力を手に入れるんだ。嬉しいだろう?」

「お、おおお、お、ね、がい、ゆるし、ててて、し、死にたく、ななない」

 脳がむき出しのためかヴィネシアは言葉がしどろもどろになっている

 そんな彼女の脳にメスを容赦なく入れるプロフェッサー

 グチュ、チュクッ

「あ、あああああああ、う、あう」

 慣れた手つきで脳の一部を切り取ると、プロフェッサーはそこに何かを埋め込んだ

 そして外していた頭蓋骨を被せ、剝がした頭皮を元に戻すと、サンディエナに指示した

「サンディエナ、戻せ」

「ああ」

 サンディエナは回復魔法をかけると、ヴィネシアの傷が綺麗に塞がった

「素晴らしいよサンディエナ。お前の回復魔法は僕が見た世界の中でも一番素晴らしい」

 傷の塞がったヴィネシアは起きあがり、立ち上がると、プロフェッサーの指示通り、上へと戻って行った

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