旅5
異世界人とのファーストコンタクトも終わったことで気を取り直してまた歩こうとしたら、なんとアンジュが送ってくれることになった
「これくらいはさせて」
アンジュのおかげで楽にハール王国に所属する商業都市、マーハンへ
「ありがとうアンジュさん」
「いいってこと、また会おうね」
「はい!」
アンジュはまた空間に指で亀裂を作って消えちゃった
すごく便利な能力
「すごい人だったね」
「うん、あんなスキル見たことないや」
それを言うならエルヴィスのカード魔法もかなり珍しいスキルだけどね
カード魔法は過去に持ってた人も勇者の仲間だったらしくて、前に持ってた人は数百年前の人
つまりそれだけ長い間その魔法を使う人がいなかったってことだね
さて、それじゃあ街に入ろうかな
街の外でもたくさんの人が行き交ってることから、かなり発展してる街だね
バララスラの王都でもここまでの人の行き来はなかった
商業都市だから当然商人が多いね
「すっごくおっきい街だね」
「うん、前来た時もこれで酔っちゃって・・・」
人の多さでエルヴィス君がすでに気分が悪そう
速めに宿屋を取って休むことにした
「この宿がいいかも」
入り口からかなり離れた場所だけど、商店から離れてて人も少ない
私達全員がちゃんと泊まれるくらい空いてた
取りあえず三日分宿を取って、その日は宿でご飯を食べた
出てきたのは何とパエリア!
海が近いらしいから新鮮な魚介もこの街に入ってくるんだって
入ってる具材はも真っ赤な貝やタコみたいな軟体動物の死体
真っ赤な貝はちょっとアワビに似てるかも
猫がアワビを食べると耳が溶けて落ちるって言われてるんだけど私は平気
毒が効かない体だからねぇ
味はもう一流も一流だった
小食のフィオナちゃんが珍しくお替りまでしてたくらい
お腹いっぱいになったし、宿についてた井戸で軽く体を洗ってから私達は皆同じ部屋で眠りについた
あ、ベッドは二つで、フィオナちゃんとメアリー、そして私がフィオナちゃんのお腹の上で寝て、もう一つのベッドはエルヴィスが使う
フフフ、思春期エルヴィス君がドキドキしてるのが伝わってくるよぉ