お勉強2
宿に帰るとすでにご飯が用意してあった
私のためにわざわざ猫用のお魚を用意してくれてて、しかもこれがまた美味しいんですよ
程よく脂がのっていて、人間用の味付けをしていないナチュラルなもの
それでいてしっかりとうまみがある
この魚なんて言う魚なんだろう? アジに似てる気がするけど、生臭さはあまりない
それにこんなに新鮮そうな魚が出せるってことは海と近いってことだ
地図で見る限り確かにこことアルト村の道中の分かれ道に海へと続く道があった
魚は結構普及してるみたいね
「んなーお!」
「お、うまいかミア、ここの魚は新鮮だからな。朝とって来たものを店主が転移魔法で運んでるんだ」
「んなぁ?」
「はは、転移魔法なんて言っても分からないか」
分からないわけじゃないけど、がぜん興味が湧いてる
転移魔法か
私が使う転移系の能力は分体がいないと使えないし、私以外が多分移動することはできない
転移魔法覚えたいなぁ
ステータスに魔力があるから多分魔法も使えるんだよね
能力を使っても魔力は減ってないから、能力はやっぱり魔法とは違うみたい
「んにゃ~わ」
お腹いっぱいになったから眠くなった
今日はいっぱい勉強したけど、明日は街がどんな感じなのか見て回ろうと思うんだ
貴族と平民の関係とかも知っておきたいしね
「眠くなったかミア。ほら、フィオナの横に寝床を用意しておいたぞ」
「一緒に寝よ、ミア」
「んなあああお!」
私はぴょんとフィオナちゃんの横に行くとその横で丸まった
ああ、気持ちいいなぁ
フカフカの寝床にフィオナちゃんの温かさ
すぐに、眠く、にゃ
翌朝私はフィオナちゃんと一緒に起きて、毛づくろいをした後に、フィオナちゃん、ターナーさんと朝ごはん
朝は昨日の魚のフレークをご飯にのっけてくれたもの
え、ご飯? 白米、だと?
白米だとぉ!!!
むしゃぱくむしゃむしゃ!
「あ、ミア、そんなに急いで食べちゃだめだよ」
「んにゃ! んみゃいんみゃい」
なにこの白米! 美味しすぎるよこれ!
魚合いすぎでしょ!
ぺろりと平らげで、お腹もぽっこり
「けぷぅ」
「アハハ、可愛いげっぷ。今日も出かけるの?」
「んにゃ!」
出かけるむねを意思表示すると、窓をカリカリと引っ掻く何か
振り向くと、昨日の猫たちが窓の外にいた
「んな!」
「もう友達が出来たの? それじゃあ行ってらっしゃい。気を付けてね」
「んにゃん!」
何の用だろう?
私は窓から外に出て、猫たちに合流した
「んにゃあ! おはようリーダー」
「どうしたの? てかリーダーって」
「うにゅ、これからいろいろお世話になるから、リーダーって呼ばせてもうにゃ。すでにこの街の猫たちはみんにゃ傘下に入ったにゃ。」
「傘下て・・・。まあいいや。それで用って?」
「実はにゃ、ホネガミってオス猫がいるんにゃけど、そいつが突然暴れ始めたんだにゃ。おとなしくて気の弱いやつだったからおかしいにゃ」
「ふむふむ、一度見てみるから連れてって」
「わかったにゃ!」
私と話していた猫、彼女は図書館で話した猫で、名前をオシバナ
野良だけどどこか気品があって、皆からは姉御と呼ばれてるらしい
で、暴れてるホネガミってオス猫は、鳥の骨が好きで、よくガジガジと噛んでたからホネガミって名前になったんだとか
普段はゆったりとしたおとなしい性格で、全然怒ったりしないのに、今朝から突然暴れ出して、仲間が止めようにも力が強すぎて止められなかったみたい
ひとまず彼女についてそのホネガミを探しに行った
街の東門近く
そこの広場でホネガミは大暴れしていた
なんと魔法まで使って周囲を凍らせている
その氷によって逃げ遅れた男の子が攻撃されようとしていた
これはまずいと私はすぐに男の子とホネガミの間に入って、猫パンチで氷を全て叩き落とした
「何してんの! 危ないでしょう!」
そのまま麻痺の猫パンチを使い、ホネガミをペチンと叩いた
効果は絶大で、ホネガミはコテンとその場に倒れる
すぐに私はホネガミのステータスを見てみた
するとなんと、呪いの状態異常が発生してるではないですか
「何で呪いなんかに・・・。ひとまずホネガミを連れてにげるよ」
「んにゃ! 分かったにゃ」
私はホネガミの首根っこを咥えてその場から一目散に逃げた
幸いにも人間の怪我人はいないみたいだから一安心
人気のないところに来ると、痺れてるホネガミの解呪を始めた
と言っても回復の猫パンチでペチンとやると解呪できるんだけどね
この力万能ですわ
「んにゅあ、あれ? ボクどうしてこんにゃところに?」
「覚えてにゃいのかにゃ?」
「あ、姉御、ボクどうしちゃってたんにゃ?」
どうにか正気に戻ったらしいホネガミに、意識がなくなる前のことを聞いてみた