旅2
翌朝早く、目を覚ました私達は山脈越えを始めた
しっかりと準備してきたから大丈夫
私も防寒用猫装備をしっかりと着こんでますよ
「ミアかわいい!」
ふふふ、私は厚着をしてもかわいいのです
でももこもこして少し動きにくいかも
「これから山越えだから、みんなしっかりと先生たちに言われたことを思い出して行こう!」
フィオナちゃんの声で皆うなづき、歩きだした
山脈は最初は緩やかで、歩くのも比較的楽なんだけど、少し進めば馬じゃ歩けない険しさになってくる
ここを超える商人たちはビッグゴートという特殊な魔物に乗って山脈越えをするみたいなんだけど、ビッグゴートは寒い所でしか生きていけないため、山脈から出ちゃうと死んじゃう
ともかく山脈を越えれるのは歩きの人間か、空を飛べる鳥人や鳥獣人、魔法で空を飛べる人たち、あとはそのビッグゴートなどの環境に適応している魔物や動物かな?
しばらく歩くと石の体を持った蛇、ロックスネークがゴロゴロと音をたてて現れた
この魔物はおとなしいからこっちから攻撃しなきゃ何もしてこない
ただ大きいから怖い
その大きさは約十二メートルくらいかな
食べるものは岩だから生物は襲わないロックスネーク
ただ心臓が宝石で出来てるから、冒険者に狙われることはあるんだけど、ランクがBランクと敵に回すとかなり強いから、めったに攻撃する冒険者はいない
私達もおっかなびっくり歩きながら横を通らせてもらった
特にこちらを気にすることなくどこかへと行ってしまうロックスネーク
顔が見えたけど、意外と愛嬌があって可愛い顔をしていた
確かペットにしてる愛好家もいるって本に書いてあった
そんなこんなで緩やかな道は終わって、そこからはかなり険しい道になっていた
石や岩はまるで針の山みたいに棘ってて、油断してるとその尖った岩で怪我をしそう
私はそこが厚い靴を履かせてもらったよ
ここ小石ですら尖ってるんだもん
「ミア、気を付けてね」
「大丈夫、しっかり靴も履いたしね。でも靴って歩きにくいね」
「そっか、ミアは初めてだもんね」
話しながら少し歩いたけど、すぐに誰も声を出さなくなった
何せ坂道が急で、崖のようなところまである
ハール王国への道はちゃんと楔やロープがあるから迷うことはないけど、ともかく大変大変
ちっちゃいこの体だと余計に大変
でもまあ私の体力ってただの猫の器に収まらないし、なにより妖怪だから妖術で浮けます
妖力使うから長時間は無理だけどね