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猫の力52

 いよいよ卒業の日

 精悍な顔立ちになった生徒たちはこれからこの王都から旅立っていく

 まぁ王都を拠点に活動する子達もいるから全員がそうってわけじゃないけど、それは今は言いっこなし

 勇者のフィオナちゃんは二日後にこの国を出ることが決まった

 本来なら勇者が旅立つ時点で必ず魔王がどこにいるかなんてのは分かってるものだけど、今回は何もかもがイレギュラーで上手くいかない

 私がいることもそのイレギュラー要素の一つなんだけどね

 勇者の仲間は私を含めて三人

 私、メアリー、そしてあのカード魔法を使うエルヴィス

 エルヴィスもここ一年でカード魔法を使いこなせるようになってて、なんとカードを使っての従魔を召喚できるまでになってる

 召喚できる数は一体だけだけど、召喚は単純に戦力が増えるし、それに彼自身召喚従魔に戦わせながら戦うこともできる

 勇者、魔導士、カード魔術師、猫という方寄ってるのか変なのか分からないパーティーだけど、これがなかなかにしっくりきてハマってる

 

 二日後

「そうか、いよいよ、ぐうう、お前も旅立つのか・・・。ぐ、ぅうう」

「お、お父さん泣きすぎだよ」

 そう言うフィオナちゃんの目にも涙がにじむ

 これから過酷な旅が始まるけど、各国には勇者が生まれていることは伝わってるから、支援はいろいろしてもらえる

「私がフィオナちゃんを守るよ!」

「僕も!」

 二人もはりきってるねえ

「そしてみんなは私が守る! にゃ!」

 この一年で私は進化こそしなかったものの、妖術もたくさん身についてるから、戦い方の幅も広がってる

 そんじょそこらの魔物には負けないし、前みたいな帝国騎士相手だろうと絶対に負けない自信がある

「ほら、これを持っていけ。先代勇者、お前の本当の父親が使っていた聖剣、セイヴハートだ」

 なんとターナーさんの魔剣ラプネスの口から出てきたのは、白の刀身が美しい聖剣

 女性が持ってそうな見た目だけど、これはフィオナちゃんに合わせて変化したんだって

「この聖剣は持ち主の使いやすい形、性格、能力によって変化する。持ってみろ、手に馴染むはずだ」

 フィオナちゃんは恐る恐るセイヴハートを掴む

「すごい、魔力が流れ込んでくるみたい。それに、何年も使い続けたみたい」

 フィオナちゃんは聖剣を腰に下げる

 うんうん、様になってる

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