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黒猫1

「そうか、生まれたか」

「はいにゃ、我らが女神様、バステト様のおっしゃっていた世界を救う猫、この世界のどこかに生まれてますにゃ」

 時をさかのぼること一年と十カ月前

 たくさんの猫、猫妖怪、猫魔物、猫神獣たちが一つの場所に一堂に会していた

 その中心には通常では考えられないほど大きな猫がでんと構えている

「我らは成り行きを見守るのみ。だが・・・。クロ、様子を見て来てはくれんか?」

「えー、めんどくさいっす。パスっす」

「そう言うてくれるな。とっておきの鰹節丸々一個をやろう」

「すぐ行くっす! で、バララスラ王国っすね?」

「うむ、たのんだぞ」

「はいっすじっちゃん!」

 大猫に指令を出された黒猫は、飛ぶようにかけて行ってしまった

「まったく、我が孫ながら怠惰で困るわい」

「大猫様、心配なら吾輩もついて行きますが?」

「いや、大丈夫じゃろうて、あれでクロは優秀じゃからな」

 これをもって世界中の猫ネットワークによってつながった猫会議は終わった

 ここに来れなかった猫たちにも情報は既に共有されている

 あとはクロの邪魔をしないように通達された


 とんでもない速さで走り抜けるクロ

 彼女は猫精霊という種族で、闇の精霊魔法を扱える稀有な存在

 速く、速く、もっと速くと駆けて駆けて

 やがて光に近づくほど速くなった

 すると突然姿が消え、その姿は数万キロも離れたバララスラ王国王都へと現れていた

「成功っすぅ!」

 彼女の力の一つで、速度を上げることで空間に穴を開け、簡単な転移魔法を可能にしている

「ここもひっさびさっすねぇ。百年くらいぶりっす! 魔王がいた間は来れなかったっすからね」

 グーンと伸びをすると、クロは救世猫の気配を探る

「あれ? ここにはいないっすね。ここでの姿が映ってたのに。でもまあすぐ見つかるでしょ!」

 クロはうろうろと王都を歩き、そこにいる猫たちに話を聞いて回った

 その結果、見事に救世猫の情報を手に入れることができた

「なるほど、アルト村ってとこにいるんっすね! ありがとうっす!」

 教えてくれた茶虎の猫にお礼を言い、茶虎猫が彼女の可憐さにぽーっとなっている中その場から目にもとまらぬ速さで姿を消した

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