猫の力49
「さて、皆さんも知っての通り、ミア君は魔物です。しかしながら勇者の仲間でもあります」
学園に戻ってから、私と、学園長先生の説明が始まった
まんま子猫に見えるこの魅惑の愛されボディだけど、それでも魔物
生徒たちへの説明は必要だという私の判断だよ
「魔物・・・」
「魔物だったんだ」
「あんなに可愛いのに?」
「いいじゃんどうでも、ミアは僕たちの友達なんだし」
「そうだよ、何度も助けてくれたし」
「何の問題もないね」
「だね!」
おおお、生徒たちは皆私が魔物であるってことに理解を示してくれた
「ありがとう皆」
皆いい子達ばかりだよ
うん、私は転生先に恵まれたな
前世での私は容姿はよかったみたい・・・
そのせいで中学高校といじめを受け続けていた
助けてくれる人は下心ある人達ばかり
だから私は本と猫の世界に逃げた
本も猫も私の世界そのものだった
両親も関心を示さない私にとっての大切な物語と猫たち
いじめの全てを本という世界に逃げ込むことで受け流し、その結果私を相手にする人は、あの私を殺したストーカー一人になった
あの男はずっとしつこく付きまとい、私が自分のことを好きだと思い込んでいるのが分かった
電話番号から家の住所まですべてを知られていたけど、本から得た知識で弁護士を立て、あの男が近づかないよう接近禁止命令を出させることもできたのに
あいつはしつこく私を追って・・・
お腹に走った冷たくて熱い痛み
ううん、あいつのことはもう忘れなきゃ
今はこんなに幸せなんだから
さて、あの白い狼を倒したことで、私はあることができるようになったの
魔物ならもしかしてって思ってたけど、やっぱりできるんだ
それは進化
この世界にレベルって言う概念はないけど、何らかの条件を満たすことで魔物は進化するみたい
あのゴブリンキングや、ウルフリーダーなんかもそうね
で、私が進化出来るのは二種類
マッドキャットっていう狂化することで大幅に戦闘力が増すことができる猫魔物
こっちはその狂化のスキルを使うと、見境なく暴れちゃうみたい
これは却下却下
もう一つは猫又
魔物というより妖怪ね
でもこっちは見た目が尻尾が二股に変わるだけみたい
他にも条件を満たせば進化先が増えるみたいだけど、私の答えはもう決まってる
猫又!
日本の猫は長生きすると化け猫や猫又に変化するって言われてる
妖怪って実は私大好きなのよね。特に猫妖怪!
これはもうなるしかないってことで、私はその日のうちに猫又に進化する決意をした