猫の力44
パパポモさんが種族スキルを使ってる
種族スキルというのはその名の通り種族自体が持ってるスキルかな
人間族は例の一つとして、器用というスキルを持っていて、様々な種族が特化してできることをある程度まで再現できるスキル
まぁ経験を積まないともちろんちゃんとは使えないけどね
で、モノアイ族のパパポモさんが使ってる種族スキルは遠目
これによって鷹の目と組み合わせることで全くの死角ですら見ることができるようになる
鷹の目が上から見るスキルなら、遠目は周囲を遠くまで見るスキル
これによってパパポモさんの死角はない
探知に関して彼らモノアイ族ほど優れた種族はいないらしいよ
「捕らえた! ここから西にニキロの洞穴。そこをねぐらにしてる。移動して狩りをするブラックウルフにしては行動がおかしい。相当頭のいいリーダーがいるのかも。今洞窟も見てみる」
洞窟内まで見ることができるってもう千里眼じゃない?
千里眼ってスキルもあるみたいだけど、そっちはもっと制度が高いみたい
数百キロ先のものを正確に見極めたりできるとか
まあパパポモさんのスキルは範囲は千里眼に比べて狭いけど、それでもかなり優秀
「よし、行くか」
日暮れ前、もうすぐブラックウルフたちの活動時間になる
その前に奴らがいるところを先手を打って叩こうということにはなったんだけど、どうにもリーダーがかなり頭がいいらしく、洞窟には見張りをたてて、リーダー自体はその洞窟にはいないみたい
パパポモさんが言うんだから間違いないだろうとのこと
「しかし弱ったな。リーダーを叩かなければまた新しい群れを作りだすぞ」
「大丈夫、必ず見つけるから」
パパポモさんの目の周りに血管が浮き上がる
スキルをさらに使用しているのが分かった
鷹の目、遠目、眼力
眼力は目に関するスキルを強化してくれる
「・・・見つけた! 見つけたけど、なに、あれ?」
パパポモさんが見つけてブラックウルフのリーダーは、岸壁の上からすでにこちらを捕捉しているかのように見ているらしい
その特徴は通常のリーダーとは違っているみたい
「色が、白い?」
「うん、リーダーで間違いはないけど、白いのは見たことないよ。雪原のウルフ種とはわけが違う。アイシクルウルフだとここの環境じゃ生き残れない」
どうやらそのウルフリーダーはまたしても何かがおかしいみたい
確か先代勇者の時代、魔王がいたことによって魔物も活性化してたんだけど、変化したりはしてなかった
一体何が起きてるんだろう?