猫の力42
最後は小杖でも特殊な杖、仕込み杖を使う少年エルヴィス君
そう、あの無属性魔法の使い手だ
まあ前の魔法の授業ではまだどんな魔法なのか分からなかったんだけど、あの後ヴァレスクさんの魔道具で彼の魔法が判明した
魔法名はザ・カード
魔法で作り出したカードによってさまざまな魔法を使うことができるらしい
仕込み杖の中は剣になっていて、カードを召喚しつつ剣での近接、杖でのちょっとした魔法を使えるというトリッキーな戦い方ができるみたい
「うーむ、彼の場合はどう教えれば?師匠」
「え、えと、無属性魔法は、とにかく、イメージが大事、です。ザ・カードは、か、過去に、見たことのない、魔法だから、どういう魔法に、す、するかは、本人、次第」
「僕次第・・・。僕皆を守れるくらい強くなりたいな」
「うむ、いい心がけだ!」
彼は仕込み杖を構えて魔法を使った
「ザ・カード!」
ヒュンヒュンヒュンと三枚のカードが空中に出現して、仕込み杖の上に浮かぶ
「これが、僕の魔法?」
「うむ、お前は前の授業で魔法が使えなかったからな。ここで使ってみるがいい」
「はい! レイブン!」
一枚のカードがパーンと砕け散って、そこから白いカラスが出てきた
そのカラスは人形に向かって飛んでいくと、鋭いくちばしで突き刺さって消えた
「ライトブレード!」
今度は光の剣が現れ、エルヴィスの手に収まった
「なるほど、武器も召喚できるのか、それなら君は短剣を持った方がいいかもしれない。近距離の護身用としてだな。そのカード魔法があれば近づかれることはほとんどないだろう」
「分かりました! 僕剣に変えてみます!」
まあ仕込み杖はかなり難しい部類の武器らしいから、扱いやすい短剣の方がいいかもね
どうやら発動機となる武器が無くても使える魔法みたいだし