猫の力39
ひとまず最初の魔法の授業は無事終わった
ヴァレスク先生は緊張しすぎたのか、授業直後にトイレに走って行ってたよ
極度の緊張でお腹が痛くなる人っているよね
「すごかったねフィオナちゃん! さすが勇者だね!」
「私の魔法どうだった? 綺麗な炎だったでしょ?」
「僕、ちゃんとできてたかな?」
「メアリーちゃんもすごかったなぁ、あれだけたくさんの魔法を使える人、ヴァレスク先生意外に見たことないもん」
クラスメイト達は口々にフィオナちゃんたちの魔法のすごさ、自分たちが初めて使った魔法についてを語ってる
この後は武器の扱いを学ぶ授業
ちなみに全員ある程度の扱い方は知ってるので、この授業は中級の授業
覚えるのはスキルの使い方について
武器をある程度扱えるようになるとそれに関するスキルを使えるようになる
この辺りは本で読んだことだけど、スキルは普通に生まれ持ったものもあれば、女神様に認められて授かるものもある
ここでいう女神様はバステト様のことだと思う
皆すでに武器用のスキルは開花してるみたいで、もちろんフィオナちゃんもね
メアリーはまだだったみたい
まあ本当なら戦いに出ることなんてなかった少女だからね
休憩時間が終わって今度は魔法訓練場の横にある戦闘訓練場へ
主に武器を使っての模擬訓練が行えるこの場所には、ヴァレスクさんの作った模擬戦闘用人形があったりする
こっちに向かって攻撃してきたりするんだけど、ランクも設定できて、最高はAランクまでできる
まあAランクどころかDランクを倒せるかどうかの生徒たちだから、そこまで強く設定する必要はないんだろうけどね
訓練場は結構広くて、さっきの魔法訓練場の倍くらいはある
それぞれが人形と戦えるようになってるのかな
ここにはそれぞれが得意な武器を持てるようにたくさんの訓練用武器が置いてある
フィオナちゃんはその中から細身の軽い剣を選んでいた
初級剣術スキルを持ってるから扱いやすいだろうね
メアリーは大杖を選んでる。ヴァレスクさんが大杖を持ってるから憧れてたらしい
「お、みんな集まってるな。エスト、剣を振るうのはまだ早いぞ」
「はーい先生」
少しやんちゃなエスト君という少年は先生に怒られてた
この先生の名前はバルトラさん
彼も元冒険者で、歳をとってからは引退して後進の育成をしてるんだけど、ここで先生もしてる子供大好きな気のいいおじさん
先生の号令の下、皆先生の前にきっちりと並んだ