猫の力35
ゴブリンキングを倒したことでこの場所にいたゴブリンたちを全滅させることができたよ
数百匹のゴブリンに、十体のホブゴブリン、そしてゴブリンキング
なんにしてもこれで周辺の村々がゴブリンに恐怖する日々も終わりってことだね
「ハァハァ、ハァハァ、よかった、先生たちが無事で」
疲れ果てたのか、フィオナちゃんはその場に倒れて眠ってしまった
どうやらまだ覚醒していないためか、絶対切断の力を使うと反動がすごいみたい
「ありがとうフィオナちゃん。あなたのおかげで私達はこうして無事」
パルシアさんに背負われて、私達は生徒たちが逃げた方向へ歩き出す
少し歩くと生徒たちが協力して魔法の準備をしているのが見えた
どうやら助けを呼ぶための伝達魔法を用意してたみたい
伝達魔法は通常一人でも行えるけど、彼らはまだ幼く、そのやり方しか知らなかったから、全員で魔力を出し合って伝達魔法を作り上げていたの
「すごいわあなた達!」
実はこの協力して行う魔法は彼らはまだ習っていないらしく、彼らは自分で考えてその魔法を創り出したってことになる
今回の実戦訓練では学ぶことが多かった
私自身もどう戦うかが少しわかったしね
でもあれはゴブリンだったから。もし魔族という魔王に連なる種族が出てきたら
よりいっそう強くなろうと思う私なのでした
数日後
初日に学校に来ていきなり休んでしまったフィオナちゃんもすっかり回復して、元気にまた学校へ向かう
私もそれについて行くのです
学校に着くとクラスの子達に囲まれた
「先生たちを助けてくれてありがとう!」
「勇者だったの!? すごい!!」
「今度は僕も一緒にたたかう!」
皆出会ったばかりのフィオナちゃんのことを相当心配してくれたのが分かる
まあ初日に打ち解けるくらいに人懐っこい子達だからね
さて今日の授業内容だけど、今日は魔法の訓練らしい
当然来る先生は
「み、み、みなさん、席について、く、ください」
大丈夫かこの先生? コミュ障のヴァレスクさんだ
彼女、家族である王族の前では普通に喋れるけど、こういう場面ではどうしても口どもってしまうみたい
「きょ、今日は、魔法の、くくく訓練、ですから、訓練場に、い、行きますよ」
そしてそんなヴァレスクさんの横には、ヴァレスクさんからもらったローブを嬉しそうに着ているメアリーと、同じくローブを着て不安そうな顔のアリュエナが立っている
聞いた話だと、メアリーの実力はかなりのもので、訓練次第ではヴァレスクさんすら凌ぐほどだとか
学園長の話だとメアリーも勇者の仲間らしい
いずれは大魔導士かな?




