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妖精の国5

 チャトラの案内の元現場に急ぐと、巨大なひまわりのようなものがそびえ立っていた

「なに、あれ」

 魔物の気配はするけど微動だにしていない

 でもこのままにしておくと危険ね

 まわりの草花が枯れ始めてる

「切り倒そう!」

 私は爪を伸ばしてその幹を切り裂いた

 ガキーーンと金属音がして、私の爪が割れる

「うそ、私の爪、鋼鉄でも切り裂くのに」

 その攻撃を受けたからなのか、ひまわりが動いてこっちを向いた

 そう、ひまわりの花部分に女性の顔があったのよ

「だあれ? 私の美しい体に傷をつけたのは」

「あ、あれは、さっきの魔物と同じパーティーにいた女性です! エインセルが自分より美しいからっていきなり魔法を撃ってきた人です!」

 この冒険者の一団、恐らく問題行動ばっか起こしてたんだろうなぁ

 それでも人を魔物に変えていいわけがない

「あああああ! 妖精がいる! それに、私より可愛い女ども! 許せない許せない許せない!!」

 鑑定で見てみたけど、こいつ、人間だった時におそらく殺人を犯してる

 称号の欄に殺人鬼とあった

 詳しく見ると、どうやら女性を襲って殺してたみたい

 口ぶりから察するに、自分より綺麗、可愛い、そう思った女性を・・・

「精霊剣」

 私は精霊の力で作り出した剣と、トガツメヒメさんにもらった刀を構える

「このぉおお!」

 根っこ部分を鞭のように振りかざしてたたきつけて来る

 それを避けて、幹を何度も何度も斬りつけた

「ま、待って! やめて! 切れてる! 痛い痛い痛い痛い!! お願い殺さないで! せっかく美しくなれるのに! もう少しで進化して、もっときれいになれるのに!」

「駄目よ。あなた、何人も女性を殺害してるでしょ? そうやって命乞いをした女性たちを、あなたはどうしたの?」

「なによ! 私の美しさの糧になれたんだからあいつらだって本望よ!」

「醜いわね」

 私はこいつの幹を完全に断ち切った

「ああ、そんな、魔力が抜けてく。だめ、もう少しなのに。くそ! クソ! お前の、お前のせいで!」

 頭だけでこっちに噛みついて来ようとしたけど、一刀両断し、魔物を倒しきった

「心まで魔物だね。可哀そう」

 ひまわりの魔物を倒した直後、今度はキジトラの分体に魔物の反応があった

「次に行こう」

 戻って来たキジトラと一緒に次の魔物の元へ向かった


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