火人の国13
突然、周囲の景色が変わった
「な、なに!?」
「二人共掴まって! ここが元の世界に戻るみたい! ダンジョンも元に戻るよ!」
二人を抱きかかえて浮かび上がると、ビュンと周りの景色がぶれて、周りが火の海になった
「こ、ここです! ここが元々のダンジョン内です!」
目の前にはダンジョンの核がある
「ここが本来のこのダンジョン最深部ですね。一度だけ来たことがありますが、火人十人がかりでようやく踏破できるくらいの難易度です」
ここは火と炎とマグマのダンジョン
その状態なら火人は最大限のパフォーマンスを発揮できる
その状態で十人がかりなんだから、このダンジョンの難易度がだいたい推しはかれる
始めからそれを言ってくれてればこんな苦労は・・・。いや、でもそのおかげでこの異変を解決できたんだから結果オーライ
それにしてもまた世界で何かが起きてる
ダンジョンがおかしくなるほどだから、神様並みの力を持った何かが動いているのかもしれない
ダンジョン核をいじれば一応ダンジョンの内部構造や出て来る魔物を変えることはできる
でもさっきみたいに、ダンジョン自体の属性を変えたり、他世界が現れるなんてことは神様くらいしかできない
セイテンタイセイほどの聖獣を操れるってことは、神様クラスとみて間違いない
「うーん、ダンジョンの異変は気になるけど、ひとまずここを観光の目玉にはできそうね。今のレーさんなら一人でも踏破できるだろうし、時々最深部まで来てダンジョン核をいじれば、マンネリ化も防げそうだね」
「あ、それなんですけど、ダンジョンマスターになればここには自由に来れるんです」
「そうなんだ、知らなかった・・・。じゃあレーさんがダンジョンマスターになってこの核をいじれるようになればいいのかな」
「はい! では劇的に強くして、火人を鍛え上げますね!」
「駄目だよ、レーさんに合わせちゃったら踏破できる人が限られちゃう」
「そうですね。私は今進化しているのでした」
「まあレーさんもこの国から出れる体になったんだから、暇なときは冒険者として活躍したらいいんじゃない? 多分すぐAランク以上にはなれると思うよ」
「それは、考えつきませんでした。そうしてみます!」
色々大変だったけど、この国もどんどん人が来るようになるだろうね
異世界人同盟とトガツメヒメさんに報告すれば宣伝してくれそう