猫の力30
メアリーとは城前で別れた
学園は城の隣にあって、国営だから優秀な先生がたくさんいるらしい
ちなみにフィオナちゃんとメアリーは基礎的な知識はもっていて、すでに学園で習うようなことは全部知ってる
知識はあるけど、戦闘経験は皆無
だからほとんど実戦のために通うことになるかな?
一応この学園には将来冒険者を目指すためのカリキュラムもあって、そこでは実戦をちゃんと学べるし、ゴブリンなんかの人型魔物との戦いも学べる
人型だからと言ってためらってたらこっちがやられるってことで、弱い魔物と戦って経験を積んだら、ゴブリンと戦うみたい
ゴブリンかぁ、私未だ見たことないんだよね
なんか変な魚男なら見たけど、あれはもう記憶から消そう
学園に着くと先生らしき渋いおじいさんが出迎えてくれた
「おお、君がフィオナちゃんかな? ふむ、母君によく似ておる」
「え? お母さんを知ってるんですか?」
「うむ、あの子はいつも誰かのために悲しめる優しい子じゃった」
どうやらこの先生、フィオナちゃんのお母さんの知り合いみたい
フィオナちゃんのお母さんは亡国セリュシオンの王女様だった
彼女は幼少期この国の進んだ教育を学ぶためにこの学園に通ってたらしい
王女様とは思えないほど気さくて優しい彼女は学園ではアイドル的な存在だったらしい
その上成績優秀。ただ戦闘だけはからっきしで、剣を振り回せば手からすっぽ抜け、魔法を使えばあらぬ方向に撃ってしまう始末
どうやら戦闘センスは皆無だったみたい
「さあこっちへ。皆が待っておる」
おじいさんについてフィオナちゃんも歩き出す。当然私も
すると私は門の前にいたお兄さんに止められた
「あこら、こっちは入っちゃだめだぞ」
「あ、その子は」
「いいんじゃ。その子もこの学園の生徒じゃからの」
「そ、そうなんですか学園長」
「が、学園長!?」
ななななんと、このおじいちゃん学園長だったのね
ただならぬ雰囲気だと思っていたけど、鑑定してなかったから分からなかった
てか私も、生徒?
どういうことだろう
私猫なんですけど
「さぁこっちじゃ。フィオナさんや、君はこっちへ。ミア君はこっちじゃな」
フィオナちゃんは女性の先生らしき人の所へ
私はそのまま学園長と一緒に
一応フィオナちゃんにちび猫ちゃんツーを付けてるから様子は分かるけど、なんで学園長は私に用があるのかな?
一応学園長について行って、彼の部屋らしきところに入った
すると彼は開口一番
「さてミア君や。女神様の加護を受けた素敵な猫さんや。君にもこれからその力の扱い方を習ってもらい、将来の勇者の助けになってほしい」
私は学園長の言葉に驚きつつ、真剣に彼の話を聞くことにした