火人の国4
「次はこちらです。マグマが綺麗に見えるところがあるんですよ。ただ、やはり耐性がないと目がおかしくなるようでして」
「ああ、そういうのも大丈夫なよう魔法を展開しておいたから大丈夫だよ」
「なんと! 本当にありがとうございます!」
こういうこともありそうだと思って、状態異常のほぼすべてを網羅しておいたからね
あ、もちろん魔物には作用しないよう精密な調整もしてある
その辺抜かりないよ
鉱石採掘場から歩いて十分ほど
これレーさんの案内がなかったら迷子になってたかも
その辺りのことも観光地化するには考えないとなぁ
たくさん観光客が来ちゃったら案内役の人出が足りなくなるだろうし
「レーさん、観光用に人出ってどのくらい裂けるかな?」
「それならば無尽蔵に。私達は分体を作り出せますので」
「それなら問題ないか。この国、たくさん道があるから迷っちゃいそうじゃない? 案内役が絶対必要になると思うのよ」
「なるほど! やはり精霊様のお話はためになりますね!」
レーさんがキラキラしてる
多分これはヒト族で言う眼を輝かせてるって感じかな?
火人族は顔がないから表情も当然ない
お互いは火の揺らめきや光り具合で確認してるらしい
「こちらです」
扉があった
フレイムストーンで出来た扉で燃えてる
「ここは危険地帯なので、誤って誰かが入り込まないよう普段は閉鎖しているのです。まあここまで入ってくるヒト族はいないでしょうが。何せその前に熱で死にますので」
「あ、うん、それは怖いね・・・」
死ぬって、やっぱり危険すぎるんじゃ
「さぁどうぞ」
中に入るとものっすごい熱気!
熱いなんてもんじゃない
まあ魔法で無効化してるから平気ではあるんだけどね
それに光もすごい
ずっと光っているものを見るわけだから、刀鍛冶みたいに視力に異常をきたす可能性もあるってことかな?
「あ、目に異常が出るというのは、ここの炎の魔力が強すぎるため起こるここ特有の現象です」
「ああなるほど、確かに龍脈が通ってるもんね」
魔力を帯びることによって余計に危険な光になってるのか
まあこれも私の魔法が防ぐから問題ないかな
それよりもここ、ものすごく綺麗なのですよ
燃えるような赤! いや実際燃えてるわけなんですが、その日の子がキラキラと星のように光ってる
「ここは問題解決してるから十分観光名所になると思う。まああとはマグマに人が近づかないように柵とか作った方がいいかな?」
「分かりました!」
レーさんは始終ニコニコしている
まあここから先、炎耐性がないヒト族が続々と来るかもしれないからね