竜人の国15
力は拮抗してる
だけどいろんな力を最大出力で放出してる分私の方が消耗が激しい
相手は気力だけ
だけど彼の気力は私と互角くらい
相手が出しきって動けなくなるか、こちらが出しきって終わりか、それは勝負がつくまでわからない
「一掻き! 二葬! 三拳!」
ハルフさんは大振りの指による切り裂き、指二本を使った突き、三本の指を丸めての一撃
一つ一つの攻撃が致命傷になりかねない
「猫流格闘術奥義! 猫魔!」
しなやかな猫の性質あっての格闘術
体をねじってほとんど一周するくらいに曲げて、ハルフさんに思いっきりぶつけた
今の全力
だけどそれすら受け止められてしまった
「骨まで響く。いいぞ、もっと、もっとだ! 傲腕爆砕!」
あ、これは受けたらだめな奴!
私は攻撃を加えたあとの隙を体をねじって、無理矢理に迫る拳を回避した
ハルフさんの拳は地面に当たって地面が爆発する
「気力の一点集中でそこに気力を溜めて、爆発させたんですね」
「そうだ! いい、いいぞミア! お前わしの弟子になれ! もっともっと強くなるぞ! よし、お前が負けたら今日からお前はわしの弟子だ! 勝ったら、そうだな、わしの弟子にしてやろう!」
「どっちに転んでも弟子じゃないですか!」
「いい提案だろう! フハハハハハ!!」
豪快な笑いでごまかされないって
でも、決して勝てない相手じゃない
今の感じ
ハルフさんのあの気力を一転集中させる技術がマネできれば、勝機は十分にある!
「爆心砲岩!」
拳の連打
それらを避けつつ、しっかりとハルフさんの技を見た
「そう、かなり大変だけど、集中の仕方とその力の流し方は理解できた!」
たしか、こんな感じ
手に力を集中させて、ハルフさんと打ち合う
「ぐ、うぁ」
失敗
結構なダメージを受けちゃった
でもコツをつかみかけてる
「重剛覇天!」
「猫連雅!」
受ける、受ける、受ける
「あぐ! いぎぃ!」
体が少し欠ける
でももう、これ以上彼の攻撃は受けない
「猫流格闘術、極み、ニャン・デ・ステラ!」
一瞬、私は光のその先を見た
気づくとハルフさんの脇腹が深くえぐれてて、彼はゴフッと血を吐き出すとその場に倒れた
「ぐ、フハハハ、いたたた、わしを超えるかミアよ。そうか、これで二人目だ。わしを倒したのは」
「ご、ごめんなさい! 全然手加減できなくて!」
「いやいい、謝るな。全力をぶつけてくれたんだろう? ならば本望!」
内臓が飛び出てるのに笑ってる・・・
ちょっと引くわぁ
「すぐ治療します」
「お、そんなこともできるのか」
「むしろこういう方が得意なんですよ」
私は肉球で彼の傷口を抑える
ハルフさんの脇腹は傷一つなくきれいに回復した