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竜人の国12

 第八階層に立つのはものすごい美女

 竜人じゃ、ない?

「ふむ、どうやらわらわのような種族を見るのは初めてと見えるな」

「人間族、じゃ、ないですよね? 見た目はどう見ても人間だけど、私と同じ精神生命体」

「そうじゃ、わらわは仙という種族。人間の進化系統の一つじゃ」

 手に持つ扇を広げてポーズを決める女性

「わらわは女仙のカタ。気力と仙力で身体強化をして戦う武闘家じゃ」

「仙って、仙人? 確かトガツメヒメさんがものすごく強い種族って言ってたっけ? 鬼人族の国の近くに住んでて、そこから出て来ることはめったにないって聞きましたけど」

「そうじゃな、わらわは少し変わっておる。他の仙とは違って世界中を旅しておったからな」

「世界中を?」

「そうじゃ、旅行が好きでな。その土地土地の強者と戦ったり、あとは食べ歩きが趣味じゃ!」

「素敵な趣味です」

「そうじゃろう。さておしゃべりはここまでにして、そろそろやろうか」

「はい!」

 カタさんが構える

 隙だらけのように見えて、気力が体を覆ってるから、隙に攻撃しようものなら察知されて対処される

 そんな気がする

 そして仙力

 気力と混ざり合ってねっとりと濃い力の流れが見える

「仙気解放、浅突き」

 トン、と、胸辺りに拳があたる

 全然痛くないし、軽く触れた程度

 それなのに私は気づいたら床に倒れてた

 何が起こったのか分からない

 起き上がれない

「まだやれるか? 立ち上がってこないよう打ち込んだつもりじゃが」

「く、ううう」

 体じゅうに痛みが走るけど、私は立ち上がった

「ほぉ、あれを喰らって立つとは、仙力が体に充実しているようじゃ」

「あ、ぐ、あがが、いたたたたた」

 痛すぎる

 体中が悲鳴を上げてて、立ってるのもやっと

「浅突き」

 トン

 また拳が、今度は腰に当たる

 とんでもない激痛が下半身を流れて、膝から崩れ落ちる

 そして股から足にかけて温かいものが流れるのを感じた

「下半身に力が入るまい? そのまま倒れておくがよい。粗相をした分はちゃんと掃除をしておくからな。それと、わらわが丁寧に体を洗ってやろう。お前はわらわ好みだからな。ふふふ」

「ま、まだまだ!」

 足にぐっと力を込める

 仙力のおかげでなんとか立ち上がれた

「浅突き」

 今度は背中

 精神生命体の体なのに、それを維持できずに人間体になってる

 この技、これ以上喰らうと危ない・・・

 激痛を我慢して、仙力をさらに体に流す

「仙力はうまく扱えておるが、気力が全然じゃな。じゃからそこまで無様な姿をさらすことになる」

「こ、これ以上、やらせません!」

 私は構えなおす

「猫流格闘術、獅子噛み!」

 牙のように両手で相手を襲う

 でもそんな攻撃が通用する相手じゃない

「なんじゃ、その程度か? ならもう終わりにするが?」

「今だ! 破拳!」

 私は気力で身体を大幅に強化した

「なんと、マグナの技を見て会得したか! 天才じゃの」

 不意を突けたのか、拳がまともにカタさんのみぞおちに入る

「うぐっ」

 肺の空気を一気に吐き出すカタさん

 気力を練れなくなった!

「畳みかけます!」

 さらにスピードを上げてカタさんを、申し訳ないけどボコボコにさせてもらった

 地面に転がるカタさん

「はぁはぁ、や、やった」

「ふむ、いい肩慣らしになった。しかしまあ、お前、その技はマグナでも習得に数ヵ月をかけた技じゃぞ」

「目が、いいので」

「ふふふ、そのようじゃ」

 あれだけ殴ったのに、少しあざができてる程度

 この人、マジに強すぎて、笑えて来るよぉ・・・

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