竜人の国8
第二階層
どうやらここは階層が機械によって入れ替わるようになってるみたいで、第一階層が上へあがって行って、第二階層がおりてきた
私の前に立つのはI字開脚をしている翼のある人型竜人の女性
この人も気力に満ちてる
鋭い目つきに綺麗な長い黒髪
チャイナドレスがよく似合ってる
「さて、コルトを倒したようだけど、この私、緋拳のウィンチェに比べれれば彼は前座も前座。緋色に輝く私の拳、受けてみなさい!」
フッと息を吐き、気力を体に流すウィンチェさん
その拳が赤く光り始めた
「緋拳、奥義、アトリ!」
地面がえぐれるほど深く踏み込んで、私の眼前に迫る
その拳を避けて私も拳を突き出した
「猫流格闘術、空弾き!」
パンと空気が弾ける音がすると、ウィンチェさんが壁に叩きつけられて、目を回して気絶した
「あ、あれ?」
どうやら私、思った以上に格闘技の才能があったみたい
いや、調子に乗っちゃ駄目
足元を掬われないよう今一度集中する
第三階層がおりて来た
次にいたのは龍型の男性
真っ青な鱗ですごくきれい
「ほほぉ、少女とな。先の二人を倒したのならば相当な実力者なのだろう。我が名はワールーサ。紫煙の力、見せてやろう」
その二つ名の通り、紫の煙が拳から吹きあがる
気力による技かな?
周囲が全く見えない状態になった
「紫電!」
その中で電撃がバチバチと鳴り響いた
「うわっと!」
電撃が私に襲い掛かる
「アバババババ!!」
いったい! めちゃくちゃ痛い
精霊の体だけどこういう攻撃は効くのよね
「いたたたた、反撃します!」
私も体に気を流し、猫流格闘術による気力解放を行った
「猫流格闘術、摩蛇多尾!」
尻尾が九つに分かれて、見えない相手だろうと追尾する拳になる
この戦いでは尻尾も体の一部だからね
現に相手だって尻尾ではたいたりしてくるから、全然反則とかじゃないのよ
「ぐお!」
お、手ごたえあり!
そこを中心的に尻尾パンチを連続でお見舞いする
「あがごががが」
ごめんなさい、ちょっとオーバーキル気味だったかも
第三階層も危なげなくクリア
気絶した人たちは医務室へと運ばれて行った