竜人の国3
歩いてはキメラに襲われ、時折ワイバーンなどの亜竜種に襲われ、それでも難なく突破していく
ハハハ、順調順調
なんて思ってたからなのかな? 突然地響きがしたかと思うと、巨大なライオンが走って来た
「なにあれ・・・」
「キメラっぽいけど、大きさがおかしいよミア」
巨大なライオンの体にヤギ頭、蛇の尻尾がついているから、多分キメラ種なんだけど、小山穂とに大きい
これは十中八九キメラのネームドだ
「あ、ミアこれ見て。トガツメヒメさんの日誌に書かれてるよ」
日誌を見ると、山脈についてのことが書かれてた
この山脈はキメラ山脈
その名の通りキメラが大量に出る山脈なんだけど、ここは古代の戦争で作られたキメラが大量に投棄された場所らしい
その投棄されたキメラたちは繁殖し、進化し、さらには、この凶悪な魔物、ネームドさえ生んだ
「厄介そうだねフィオナちゃん。でも大丈夫! フィオナちゃんにはお母さんの加護があるからね。今までよりもより強力な力を扱えるようになってるはずだよ」
「そうなの!?」
やっぱりわかってなかったみたい
フィオナちゃんの力はお母さんに加護をもらってからおよそ三倍ほどになってる
元々勇者として力を付けていたのも相まって、そん所そこらのAランクの魔物じゃ相手にはならない
日誌によるとこのキメラの名前はスカー
トガツメヒメさんが顔に傷をつけ、その時点で逃げたことからそう名付けたらしい
確かにスカーの左目には縦に傷がついている
それが多分トガツメヒメさんがつけた傷
日誌には、追って倒すことも出来たけど、旅行中だったから追わなかったって書かれてる
まあこの辺りは人が来ないから、率先して倒す必要はないしね
キメラはこの辺りに飛んでくる亜竜やワイバーンをエサにしてるらしいから、わざわざ人里にも来ないんだとか
ここでの独自の生態系が形成されてるってことだね
さて、日誌をしまって巨大なキメラの目を見る
こっちを見定めているかのような目だ
そしてグルルと鳴き、大きな爪をこっちにいきなり振り下ろした
戦闘開始の合図だと受け取って、私達は武器を構えて戦闘態勢に移った