転生者の国7
地図を見ると、オブリビオンタワーという塔があるのが分かった
「ふむふむ、自身の忘れていた記憶を呼び覚ますとな。わらわは女神ゆえに忘却などないが、ミア、フィオナ、お前たち自分の過去の記憶などに興味はないか? わらわはある!」
「私達の過去にってこと?」
「うむ、地球の神でもあるが、わらわはお前のいた日本という国のことが知りたい。アマテラスのやつはあまり語ってくれないのでな」
「うわ、日本神話の主神さんじゃないですか」
「あの女神はあれで忙しいからのぉ。一応こっちのラーと同じ太陽神じゃしな」
神様たちの事情はかなり複雑そうなのでそれ以上は聞かないようにした
私みたいな神様の子供も結構いるみたいだしね
「じゃあそのオブリビオンタワーに行ってみよっか」
「うむ!」
三人でその塔の前まで来る
遠くから見えてたけど、結構高い塔だわ
洞窟の入り口みたいな入場口を入ると、いきなりまわりに画面が浮かんだ
「これは・・・」
前世の記憶?
これは前世での母親と父親・・・
前世で私を捨てたお母さんは、最初はちゃんと愛してくれてたんだ
父親は、デレデレしてて、私の記憶の中にあるお父さんと同じ
幼稚園に上がる私
この時にはもうお母さんはいない
お母さんが何でいなくなったのか覚えてないからかと思ってたら、そのお母さんがいなくなる記憶があった
お母さんは、涙をたくさん流してた
これは、病院のベッド・・・?
「ごめんね環、あなたが成長するのを、見れなくて、ごめんね、ごめんね」
お母さんはずっと出て行ったって思ってた
あれ? なんでそう思ってたんだろう?
おかしい、私の記憶が、何かおかしい
お母さんが亡くなってから男で一つで育ててくれるお父さん
その傍らにはちゃんと、前世のお母さんの写真がある
ずっと、私はその遺影に手を合わせていた
「どうしたんじゃミア?」
「分からない・・・。これ本当に私の記憶なのかな?」
確かに記憶にあるお父さんの顔は同じで、私自身の顔、姿も、今の人間形態と同じで、記憶も一致してる
なのになんでお母さんの記憶だけ食い違ってるの?
「確かにお前の記憶じゃぞ。間違いない。ちゃんと繋がっておるからな」
「繋がってる?」
「うむ、お前のように前世の記憶を持っている者はその記憶が鎖のようにつながっておる。この記憶は間違いなくお前の記憶じゃ」
「でも、なぜか私の記憶とかみ合わなくて・・・。なんで私はお母さんが出て行っちゃったって思ってたんだろ?」
「ふむ・・・。わらわにもそれは分からぬが、記憶、ふむ、この事もわらわが調べておこう、記憶の神が何か分かるやもしれぬからな」
この記憶違い、何かがおかしい
いくらお母さんを思い出そうとしても、出て行った記憶で塗り潰される
なんで?
なんで私の記憶がこんな
考えても分からない。バステトお母さんが調べてくれるのを待つとしよう