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蟲人族の国6

 闘技場を出て再びアズラルさんの後ろをついて歩く私達

「次は大樹ミスラを見ていただきたいと思います。ミスラは我らが女王の住まいともなっていまして、それはそれはかぐわしい香りを放っているのです」

「かぐわしい香り?」

「はい、ミスラは巨大な香木でして、本来ならかなり高額で取引されるそうなのです。まあここまで取りに来るような輩もいませんけどね」

 この香木はこの森にしか生えないんだけど、危険地帯だから取りに来る人がめったにいない

 そのためこの森では数多くある香木でも、高値がつくらしい

「その中でもミスラは樹齢千年を超える大樹です。その木の上に我らが女王の居城があるのです」

 丁寧に説明してくれるアズラルさん

 闘技場から少し歩くと、かなりの太さの幹の木がそびえ立った

「お、おっきいね」

 見上げると雲まで届きそうなほど高い

 世界樹はまだ見たことないけど、どっちが大きいんだろう?

「ではこちらでお待ちください」

 アズラルさんはそう言って口笛を吹いた

 すると巨大な蜂が何匹かこっちに飛んできて、私達の前に着陸した

「モフモフで可愛い!」

 フィオナちゃんが蜂の毛を触って喜ぶ

 かなりおとなしい蜂だね

「この子たちはメガロビーと言って、私達の友です。私のように飛ぶのが下手な氏族は彼らに移動を手伝ってもらうのです」

 いわれてみると、蜂たちは何かを持っている

 どうやら大きな籠みたい

「これに乗ってください。この子たちが上まで連れて行ってくれます」

 アズラルさんは下で待ってるみたい

「じゃあ行ってくるね」

 蜂たちが飛んで高い高い木の上へ

 気の上には屋敷があって、そこでは綺麗なお姉さんが立っていた

「ようこそおいでくださいました精霊様、私は王の氏族、女王ルタです。我が国にお越しいただけたこと、心より感謝しております」

 彼女たちが精霊を敬うのは理由がある

 私達のような精霊はいるだけでその土地に様々な恵みをもたらす

 これって種族スキルみたいなもので、反対に土地に呪いを与えることもできる

 もし精霊をないがしろにすると、この世界では国が亡びるレベル、らしいんだ

 自覚はないけどね

「まだ繁殖期ではないので小さな子たちはいませんが、存分にお楽しみください」

「ありがとうルタさん」

 そういえば次期女王である王女がいるはずだけど、姿が見えない

「ミア、あそこ」

 フィオナちゃんが何かを見つけた

 そっちを見てみると、ちっちゃな女の子がトテトテこっちに歩いて来てた

 メノーちゃんもちっちゃかったけど、あの子はあれで成体で、この子はメノーちゃんより小さい

「精霊しゃま? ママ、精霊しゃま来てくれたの?」

「ええそうよノア」

「ノアちゃんって言うんだ、よろしくね」

 ノアちゃん、この子が王女だね間違いなく

 頭を撫でると嬉しそうに目を細める

「精霊しゃま、わたちも一緒に遊びたい!」

「これ、ダメですよノア」

「いいですよ。一緒に遊ぼっかノアちゃん」

「わーい」

 あかん、なんやこの可愛さ!

 思わずエセ関西弁が脳内を駆け巡るほど可愛い

 私達はノアちゃんを連れて大樹の下に降りた

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