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蟲人族の国2

 歩くこと半日

 迷わないように立て看板もあったから、多分迷子ではないと思う

 それでもたくさんの魔物に疲弊はしてきた

 いやね、私は体力的にはまだまだ大丈夫そうなんだけど、やっぱり人間のフィオナちゃんは疲れて来てるし、私も気分的に結構疲れてる

 ここいらで野営でもしようと準備を始めた

 幸いなことに少し開けた場所があったから、そこにキャンプを設営

 野営中は魔物が寄ってこないように魔物避けの魔石を周囲に置いておいた

 あ、これはトガツメヒメさんにもらったものだよ

 あの人旅のために色々持たせてくれたから、ほんと感謝しかないよ

 キャンプの設営が終わって晩御飯

 今日は森で取った果物と、魔物肉

 果物は食べれるかどうかちゃんと鑑定してるから、毒は無し

 魔物のお肉は猪型の魔物がいたからそれの肉

 鑑定したところ、ウッドボアという猪で、お肉は風味が爽やかで高級食材として扱われてるらしい

 だから今日はとんてきならぬイノテキ!

 私は甘辛く煮詰めたタレを焼いた肉にかけて、さらに取り分けた

 まだまだ大量にお肉が残ってるけど、残りは保存

 ナイフで切ってフォークでパクリ

「うわなにこれ、ほんとに猪肉!?」

「ふわぁ、とろけるし、脂身あまーい」

 前世で猪肉を食べたこともあるけど、ここまでとろけるような食感じゃなかったし、なにより香りがすごくいい

 ハーブを加えたかのような爽やかさ

 一応Bランクの魔物だからあまり出回ってないらしく、それ故に高級肉

 おいしい、ひたすらに

 また見つけたら狩っておこう

「美味しかった。今日はよく眠れそうだね」

「うんうん」

 フィオナちゃんの口を拭いてあげ、生活魔法の一つである、清潔化の魔法で体を綺麗にした後、テントに入って眠りについた

 もちろん猫に戻ってフィオナちゃんのお腹の上で寝たよ


 朝になった

 今日こそはたどり着こう、蟲人族の国へ

 意気揚々と歩きだしたのもつかの間、突然人型の何かが目の前に、ほんとうに突然に鉢合わせた

 向こうはギョロリとこちらを見てニタァと笑う

「フィオナちゃん、こいつ、多分ネームドだ」

「ひっ」

 見ただけで分かる強さ

 復活魔王たちにも引けを取らない

 でも、今の私達は、ポイゾナと戦った時とは違ってかなりの成長を遂げている

 フィオナちゃんなんて一度魔王化したからか、魔王としての権能まで持ってるからね

 勇者としては愛、魔王としては憎しみが転じて慈しみ

 愛の力は愛が深ければ深いほど強くなる力で、慈しみは相手を慈しめば慈しむほどに相手の力を削いでいく

 自身には強くなっていくバフを、相手には弱くなっていくデバフをかけるというとんでもない力になっていた

「大丈夫だよフィオナちゃん、今のフィオナちゃんに勝てる相手ないんて神様くらいだよ」

「が、頑張る!」

 フィオナちゃんは愛剣セイヴハートを構えてネームドらしき魔物に向かって走った

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