リザードマンの国10
祭りが始まった
たくさんの屋台にリザードマンたちに伝わる神に捧ぐ踊り
屋台の方は祭にはこれとトガツメヒメさんが広めたものだけど、それ以外は忠実に昔からの祭を守り続けてるらしい
リザードマンたちの踊りはどことなく盆踊りに似てるけど、尻尾を使っての動きもあるのでやっぱり別物かな
かなり綺麗な動きで、優雅さもある
「あなた達も参加してみない?」
「え、でも踊れないですよ私達」
「大丈夫、教えてあげるから。私もかなり昔に踊ってたけど、全く変わらないのねこれは」
アスルドの手取り足取りで何とか踊れるようになる私達
リザードマンたちの優雅さはないけど、ある程度は形になってるんじゃない?
踊りも終わり、屋台がにぎわって来た
ボア肉の屋台もさることながら、川魚を使った料理なんかもたくさんある
この世界にも寄生虫の概念はあることから、川魚の生食は流石にないけど、串に刺して塩焼きにしたものとか、かなりおいしそう
ニジマスに似てる魚を使ってるみたい
「二つ下さい」
串焼きを二本買ってからフィオナちゃんとむしゃぶりつく
「ふわあああ、おいしいいいい!」
塩味がほんのり効いていて、とんでもなくおいしい
前世で食べたニジマスの塩焼きよりもおいいしかも
この魚は全部水の種族たちが取って来たみたい
ニジマスみたいなの以外にも、アユっぽいのやらサケっぽいのもあるね
サケっぽいのは野菜と一緒にホイル焼きにしてある
味付けはクリームシチューのような味付けだから、サケっぽい魚にものすごく合ってるね
しばらく色々な屋台で食べて回って、辺りは段々と暗くなってきた
そして祭の終わり
そこに突如現れた
本当に突然だったため、誰もかれもが不意を突かれ、反応できなかった