リザードマンの国5
河原を歩き続けて二時間で、ようやく山まで来れたよ
まあこのくらい鍛えてる私達には大した距離じゃなかったかな
足も全然疲れてないし
「あ、あれじゃないかなミア?」
フィオナちゃんって周りをよく見てるから、私よりも発見が早かったりするんだよね
彼女が指さした場所に大きな滑り台のようなものが渦巻いていた
まさしくウォータースライダーじゃないか!
「ぬおぉおお! 久しぶりだね勇者フィオナ!!」
どこかで聞いた声
ガバァとフィオナちゃんに抱き着いたちっこい影
「あ、あなたは」
「そう、天才発明家のユニちゃんさ!」
シャキーンときめぽーすを取るのは、ユニちゃんことユウリ・ヤマモト
異世界人同盟の発明家で、能力もそのまま発明
自身の考えたものを正確につくりだすことができるある意味チートな能力だけど、彼女はこの力を一切兵器開発とかには使わず、完全平和利用でのみ使っている
様々な街の発展に協力している引く手あまたな実力者で、トガツメヒメさんも一目置いてるらしい
「そこの綺麗なお姉さんは誰か・・・。あぁああ!! うっそ、ミアちゃんなの!? ええええうそおあああああ!! 転生者だとは聞いてたけど、それ元の姿!? ええええええ!! ちょっとなによそのグラマラスな姿! 可愛すぎるんだけど!」
どうやら目につけていたゴーグルで私の正体を見破ったらしい
そして相変わらずの声の大きさ
「それにしても久しぶりだね二人共。わたしかい? わたちはこれを作るのを協力していたってすんぽーよ!」
「さすがだねユニちゃん。これってやっぱり」
「そうそう、わたちも君と同郷だからね。あっちのウォータースライダーを参考にしたのさ!」
やっぱり異世界人が建築に関わってたのね
それにしても見知った顔がいるとは思わなかったけど
「まあ楽しんでくれたまいたまえ! わたちは問題がないかを見に来てただけだから、もう帰らないとね! それじゃあまた会おう!」
ユニちゃんはそういうと、ポケットからボールペンのようなものを取り出して、ノックした
するとボールペンが変形して、一人乗りの飛行機に・・・
質量どうなってんのよそれ
まあそういうとこは気にしてたらこの剣と魔法の世界だと生きていけないから、私はニコニコ手を振ってユニさんを見送った
で、すぐに水着に換装
フィオナちゃんも同様に換装して水着に
あ、換装はただ単にアイテムボックスから来てる服をしまうと同時に着れるように取り出してるだけだよ
これ地味に便利なのよね
「じゃ、いこっか!」
「うん!」
私達は階段を駆け上がっててっぺんへ
すごい、ちゃんと水が流れてる
で、当着地点は大きな池みたいになってて、泳げる仕様
他の観光客たちと列に並んで、数分で私達の番に
二人乗りの浮き輪に乗り込んでスライダーを滑る
「ぴょあああああああああああ!!」
フィオナちゃんが変な悲鳴を上げてる
「おおおお落ちる! 落ちるよミア!」
「大丈夫だよフィオナちゃん」
段々楽しくなってきたのか、フィオナちゃんは笑顔になった
「これすごく楽しい!」
「だよね!」
長いスライダーを楽しく滑り降りて
「もっかい! もっかいいこうよ!」
「うん!」
フィオナちゃんはすっかり気に入ったのか、この後十回もリピートしましたとさ