リザードマンの国3
宿の台所を借りれたので調理開始
シンプルにステーキにするか、それともかば焼きにしてご飯に乗っけるか・・・
あ、お米は一応いろんな国に流通してるよ
もちろんお米の発見者はトガツメヒメさんで、品種改良までしてものすごくおいしくしたうえで流通させたんだとか
何でもできるなあの人
まあここにもお米があったから、少し分けてもらってグランドボア丼を作ることにしたよ
「どんな料理なの？」
「甘辛く焼いてご飯の上に乗っけるだけだよ。簡単だけどこれが美味しいのよ」
もちろん焼くのは炭火焼き
炭はサミダレで一応買っておいたんだよね
ここでは一酸化炭素がこもっちゃうから裏庭に出て焼き始めた
タレもサミダレで買っておいたものなんだけど、この街にも同じタレが売ってあった
ラージボアを食べる時大体の人がこのタレで食べるんだって
でもご飯に乗せて食べるって発想はなかったみたい
私はじっくりと味がしみ込むように焼いて、出来上がりを楽しみに舌なめずりをした
そんな炭火焼の香りが流れて行ったのか、宿の食堂に人が集まってきてしまった
もちろんこの香りの正体のものを食べたいとみんな言うけど、そこまでの量はないので、ラージボアで代用してもらって、作り方だけ教えておいた
これは私のかば焼き丼です
「よしできた！ ほらフィオナちゃん、スプーンで斬れるくらい柔らかいよ」
出来立てを頬張る
これほど贅沢なことはないと思うけど、猫舌のおかげで
「ぎゅあああ！！」
舌を火傷してしまった
でもおいしい！
「ミアぁあああ、これぇ、とろけて、幸せの味がするよぉおお」
うわ、フィオナちゃんがとろけてる！
でもその気持ち分かる！
二人共かき込んで、平らげてしまった
「ミア、料理上手いね」
「そう言われると照れるけど、これタレかけて焼いただけだから、誰でも出来るのよ。私の料理スキルはまだ見せてないのだよフィオナちゃん」
「じゃ、じゃあ、これよりもすごい料理がっ！」
「その通り、今度作るね」
「楽しみ！」
前世で自炊はずっとしてたからね
それに料理は好きでいろんなものに挑戦してたから、そこそこ自信はある
代表作は肉じゃがです。よろしくお願いします
と言うわけで、この日はどんぶり食べただけであとはフラフラと露店を見て回ってました
珍しいものもあって、なんとリザードマンたちの脱皮した鱗を使ってのお守りとかがあって
水棲性のリザードマンの魔法が付与されてるから、本当のお守りでもある
一定の炎ダメージを軽減してくれるんだって
まああまりにも高温だと砕け散っちゃうらしいけど
珍しいので買っちゃった
ああ平和。これこそ望んでいた生活、と言えますよ。ほんと
