リザードマンの国2
翌朝は早朝からギルドに来ていた
なんでもラージボアの希少種、グランドボアとかいう特殊個体が出たらしい
グランドボアのお鱗はラージボアより硬くて、討伐が難しい
でもここにはBランクの冒険者もいる
戦力は十分だ
ちなみにグランドボアはラージボアの三倍はある
グランドボアでも十メートルを超える大きさ
ラージボアがいかに大きいか分かる
「私達冒険者じゃないけど参加していいのかな?」
「さっき話を聞いてみたけど、強い人ならだれでも参加できるんだって。ただし自己責任でね。倒した人には金一封と超高級、グランドボアのお肉が贈呈されるんだって」
「それ食べたい!」
「だよね」
私達は即決でこの討伐に参加することにした
参加するという表明のため書類にサインをして、皆が向かった森の中へと分け入っていった
ふふふ、みんなグランドボアを探すのに必死になってるけど、私には能力がある
追跡はお手の物ってね
臭いを辿れば簡単に見つけられる
・・・そう思ってた
うん、グランドボアの臭い、ラージボアと同じだわこれ
発見されたところにあった這いずった跡の臭いを嗅いで探したんだけど、そこら中でするんだよねコレが
見つけたと思ったらラージボアばかりだし
三倍もおっきいはずなのにどこ隠れてるのよこれ!
ひとまず這いずり跡を辿ってみたけど、途中で他の魔物の足跡とかで消えちゃってるし・・・
そうやって探し回ること三時間
いい加減疲れて来たところに悲鳴が聞こえた
すぐ近くだ
私達は悲鳴の方へ走って、その声の主と思われる女性冒険者三人組を見つけた
彼女たちの前には、巨大な蛇が舌をチロチロと出して威嚇している
「た、助け・・・。え、子供? 助けが来たと思ったのに、以前我らピンチが危機で危ないであります」
「もはや覚悟は決まったの! さあ食べるなら一飲みに!」
「うう、思えば短い人生でしたぁああ・・・。やっぱ死にたくないぃいい!!!」
うるさい三人だ
私は剣を抜いて一撃でグランドボアの首を切り落とした
「ほら、もう倒したから大丈夫だよ」
「あ、うう、腰が抜けて立てないのであります。あと変えのパンツください」
「助かったの? 僕ら助かってるの!?」
「ひぃいいん、ごわがっだぁあああ」
助かってもうるさいなこの三人
取りあえず粗相してしまった丸渕めがねのお姉さんにパンツを渡し、着替えてもらう
その間私達は蛇の死体を収納しておいた
「助かったであります! あ、私が粗相をしたことは、どうかご内密に」
「言わないよ」
「この御恩は生涯忘れないの! 僕の種族に誓うの!」
「うひぃいん、もう美味しいもの、食べれないと思ってましたぁああん」
三人はパーティーを組んでいるCランクの冒険者で、丸渕眼鏡に緑色のおさげでかなりお胸の大きなお姉さんがシスカさんと言って、ミノタウロス族らしい
ミノタウロス族には角があるって聞いてたけど、角がないのは女の子だから
ちっこくて、~の口調の金髪おかっぱの少女は、リーダーでホビット族のフニアちゃん
いや、少女は失礼だった。この方私達よりとはるかに年上でしたわ
で、終始泣いている背の高くて腰までのロング青髪の女性が、アンデッド族の一種族、バンシー族のラーヴァさん
バンシーっていう泣き幽霊の種族だから、ずっと泣いてるのはデフォルトらしい
三人と一緒に私達はギルドへ戻った
私はグランドボアの全てをギルドに納品して、その日のお祭り騒ぎは終わった
ちなみに報酬はさっきの三人と山分けにしたよ
三人とも遠慮してたけど、彼女達がいなかったら見つけれなかったかもしれないからね
お金には困ってなかったから、金一封の方は全部あげて、お肉は半分貰った
結構な量のお肉だったから、私達じゃ食べきれないと言ったら快く受け取ってくれたよ
グランドボアはラージボアより三倍大きいけど、価格は十倍くらいに跳ね上がる
まあ危険な魔物だし、お肉はとてつもなくおいしいらしいからね
このお肉を食べる時が楽しみですよまったく




