鳥人族の国8
まずは襲撃者の死体を見に行くことになった
警備兵たちの詰め所にある死体安置所にあるみたい
三人分の死体を見る
毒で亡くなったから綺麗なもので、正直安堵した
その死体に渡しの能力で感知を開始した
以前にも使ったことのある足跡スタンプの強化版だ
前は足跡を辿ることしかできなかったけど、この強化版になると精霊の力のおかげなのか、過去の足跡をたどることができる
それどころか、彼らの過去を映像として動かすことも出来るのだよ
「本当に手掛かりがつかめるのですか?」
「はい、任せてくださいよ!」
私はさっそく彼らの死体に力を使う
すると、幽霊のようなものがふわりと彼らの体から浮かび上がる
そして彼らの最後の行動がリプレイされた
歯の奥に仕込んでいた毒を喰らって死ぬ
それが繰り返し再生された
私は彼らの行動を巻き戻してみる
「おお、これは」
警備の人達と共に彼らの行動を辿ってみた
後ろ歩きしてるみたいでちょっと不気味
「たぶんこの後はルグルグさんの家に向かうはずだから、そこから再生するね」
「お願いします」
ルグルグさん宅に戻って来た
「おお、これはすごいですね」
ルグルグさんも驚いている
そして暗殺者たちがどこから来たのかを辿って行く
「く、屋根の上ばかりですね」
「後を任せてくれるならルグルグさん襲撃犯も大本もとっちめて来るけど?」
「いえ、このくらいで音を上げていては警備兵は務まりませんので」
警備の人達は必死についてきてる
さすが鍛えてるだけあって体力もすごい
追って行くと街の南区、政治区へと入った
そしてそこにあるこの街の政治をつかさどる役所へと入って行った
「まさか、そんな・・・」
襲撃犯たちはその役所から出てきたというわけだ
「あ、あり得ない。この街の中枢、街の指導者たるドララド様のご自宅だぞ!」
ここはこの街の指導者にして、鳥人族の現長ドララドさんの家だった
「いや、あれほどの人格者が親友であるルグルグさんを狙うはずない」
「まあまあ、話を聞いてみないことには分から」
「ひぃいいいいい!!」
家の中から悲鳴が聞こえた
しまった、逆再生したままだった
「入るよ!」
私は開いていた窓から猫の姿になって飛び込んだ
そして悲鳴が聞こえた部屋に来ると、うずくまって震えるドララドさんらしき人
「あの」
「ひぃいいい! や、やめてくれ! わしはゴーストは苦手なんじゃ!」
「あの!」
「ひぅ」
「ドララドさん、ですよね?」
「あ、ああそうじゃ。わしはドララド、この街の指導者じゃ。それより、あのゴーストを何とかしてくれぇ」
「驚かせてすいません。あれ、ルグルグさんを襲った犯罪者の行動を再現してるんですよ。それで、この家にたどり着いたんですけど・・・。ドララドさん、少しお話を伺いたいんですけど、よろしいですか?」
私はドララドさんをにらみながら聞いた