猫の力24
「この子がいなかったら私、どうなっていたことか」
「ふむ、その猫が恐らくターナーの飼っている猫で間違いないな。何とも愛らしいではないか」
「お父様、わたくしもふもふしたいです!」
フフフ、私の魅力は王族にもいかんなく発揮されてる
あ、王女様がこっち来て私を抱き上げた
「んなーん」
「可愛い!!」
私をぎゅっと抱きしめる王女様
この子、滅茶苦茶可愛いんだけど。まだ十二歳らしいんだけど、もう大人っぽい
ていうか胸が・・・
前世の私にも勝るとも劣らない大きさだ。それにいい匂い
十分ほど私を堪能して満足したのか、ふんすふんすと鼻息荒く戻って行った
「また来てくださいね猫ちゃん」
「んにゃ!!」
私にメロメロになった王女様。王子様の方は抱っこ従ってたみたいだけど、この歳特有の、そんなのカッコ悪いってプライドが邪魔したのか、抱っこしには来なかったね
ちなみにこの姉弟、双子だそうです
報告も終わって、私はスヴィラナさんと一緒にターナーさんのいる村に向かった
突然私がいなくなったからフィオナちゃんが心配してる
さて、新しい村の名前はそのままアルト村になったんだけど、前の村より大きい
さすがに王都にかなり近いだけあって昔は栄えてたみたい
廃村になった理由は、皆王都に移ったから
ここなら戦闘から退いたアルト村の人達もゆったりと暮らせる
王都も近いから、帝国に狙われてるフィオナちゃんとメアリーも守れる
それにここから通いで学校にも行ける
メアリーはヴァレスクさんの弟子になるから学校ってわけじゃないけど、フィオナちゃんの方は学校で基礎的な戦い方なんかを身に着けるみたい
それから魔法はメアリーと同じくヴァレスクさんから直接学ぶんだとか
学校よりもヴァレスクさんから教わるほうがより実践的な学びを得れるみたい
「ミア! どこ行ってたのよもう」
「んなーお」
「ああ、その子は私を助けてくれてたの」
「え!?」
詳しい話をターナーさんを交えて話す
「なるほど、やはりあれは帝国の・・・。あんなものを創り出すなんて、帝国はもう」
「うん、あれはもう魔王の巣と言ってもいいよ。あんな、酷いことを」
前の魔王ってそんなに悪いやつだったのかな?
どこかで魔王に関する本を読みたいけど、勇者の話が主であまり詳しいことは残ってないのよね
また王都で図書館に行って探してみよう
王立図書館なら詳しい話がありそうだし