新しい旅13
フィオナちゃん、イチカさんと共に城に戻り、昼食をいただいてからその日はゆっくりと休んだ
ちなみに昼食は焼き魚定食で、夕食は山菜おこわに豚汁、お刺身もあった
フィオナちゃんはお刺身を恐る恐る食べてたけど、一口食べただけで気に入ってぱくついてた
翌日
「起きて、お姉さん、ほら早く」
目を開くと、少年? 少女? どっちか分からない可愛い子供が立っていた
人間と変わらない姿だけど、頭に小さな角がある
「君は?」
「僕はミタキ。鬼人族の一種である呪小鬼だよ」
「呪小鬼? 鬼人の子供じゃないの?」
「僕はこれでも大人だよ。まあみんな子供だと思うみたいだけど。それよりもお姉さん。もう一人のお姉さんを起こして行こうよ」
「どこへ?」
「いいとこだよ。母さんには許可は取ってあるから」
「母さんってトガツメヒメさん?」
「そうだよ」
ミタキくんに連れられてフィオナちゃんを起こした後、着替えをしてから出かける
「どこ行くの?」
「火柱って知ってる?」
「火が燃え上がってできる柱のこと?」
「そそ、その火柱なんだけど、それがずっと上がってるとこがあるんだ。しかもね、火の色が変わってきれいなんだ」
「それは、見てみたい!」
フィオナちゃんが嬉しそうに答えた
「じゃ、ついてきて。ちょっと特殊な道を行くから離れないでね。一応ちゃんとした道はあるんだけど、それだと結構時間かかっちゃうから」
「おっけー」
ミタキくんの後ろをついて歩き始めると、近くの森の中にいきなり分け入ってしまった
慌てて追いかける
どうやら獣道のようなものを通ってるみたいで、細いけどなんとか通れそう
木の枝とか長く伸びた草が引っかかる
こうなるとこの、多少大きなお胸が・・・
「こっちこっち」
曲がり道に来るたびにミタキ君は止まって待ってくれる
顔はブスッと機嫌悪いかの様な表情で固定されてるけど、優しい子、じゃなかった、優しい人だ
「ほらこっち、もう少しでつくよ」
森に入って十分くらいで、もう着くみたい
それと、なんだか熱くなってきた気がする
「この奥だよ。というかもう見えてるよね」
森の木々の奥に、赤い火柱がゴウゴウと燃え上がっているのが見えた
別にここが火山ってわけでもないのに、なんで燃えてるんだろう?
さらに近づくと、かなり熱い
火柱は結構な高温で、周りには鉄の柵がされて近づけないようになっていた
そして、赤、黄、緑、紫、青と変化していく
「きれーい・・・」
熱いけど確かに綺麗だ
「これなんで色が変わるの?」
素朴な疑問をぶつける
「さぁ? 古代の魔法使いがやったとか、化学現象だとか、大昔の霊の怨念が未だに燃え上がっているとかいろいろあるけど、原因は不明。あの母さんですら分からないって言うんだからどうしようもない」
「トガツメヒメさんでも分からないことがあるんだ」
でも見た感じ悪い気配はない
ただただ炎が吹きあがってるだけ
遥か昔からこの炎は吹きあがっているみたいだけど、今まで何も起こってないから多分大丈夫でしょ
「あともう一つ連れて行きたいところがあるんだ」
「うん、任せた!」
火柱に満足し、ミタキくんについて別の名所へ
そこもここから近いとのこと
しっかり楽しませていただこう