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猫の力23

「こ、ここは、バララスラ王国の、王城・・・? なぜ? 私は得体のしれない何かに襲われたはず」

「んなん!」

 スヴィラナさんの肩でちび猫ちゃんツーが鳴く

「んえ!? 何この可愛い猫!! ちっちゃ、ちっちゃ!」

 手のひらサイズのちび猫ちゃんツーにメロメロになる彼女

 そんなことより今は無事だったことにホッとして欲しいんでけど

「もしかして君が私を助けてくれたの?」

「んにゃお!」

「ありがとう!」

 王城の門前に転移させたけど、今は夜

 人はいない

「ともかく戻れた・・・。ちっちゃい猫ちゃん、一緒に来てくれる? 王様に報告しなくちゃ」

「にゃおん!」

 ちび猫ちゃんツーと私が入れ替わる

「え!? 猫ちゃんが、変わった?」

「んななんお!」

「何言ってるか分かんないけど、あのちっちゃい猫ちゃんは君の家族か何か?」

「んみゃ」

「そっか、ありがとね! じゃあ一緒に・・・。あ、でも君、詳しいこと分からないんじゃ」

「そんなことないよ。ちゃんと見てたから」

「しゃしゃしゃしゃべったぁああああ!!」

「しーー、今夜だよ。ともかくあなたのことは見てたから事情は分かってる。私が喋ったり色々出来るってこと黙っててくれるなら、ついて行くから」

「すごい猫ちゃんだね。うん、助けてもらったし、しゃべれることは黙ってる」

 私が喋れると完全にただの猫じゃないって違和感が大きくなってしまうかも

 そうなれば魔物として、処理されて・・・。私の快適猫ライフが終わっちゃう!!

 それは絶対避けたいからね


 真夜中だけど、スヴィラナさんが帰ってきたってことで王様に、宮廷魔術師のヴァレスクさんも起きてきた

「無事戻ったかスヴィラナ。ターナーから話は聞いている。大儀であった」

「も、もったいなきおおおお言葉」

「ハハ、いつも通りでよい。して帝国の様子はどうであった?」

「帝国は、もうだめです。騎士も兵士も、皇帝ですら、何者かに操られ・・・。いえ、はっきり言います。間違いなく魔王は生まれています」

「新たな魔王が・・・」

「というよりあの気配は、先代魔王の気配でした。生まれたというより復活したという方が、正しいかもしれません」

「そうか・・・。新たな魔王ではなく魔王の復活。先代勇者でも倒しきれなかったということか」

 先代魔王の復活って、由々しき事態じゃ?

「それと・・・。帝都の住人は一人残らず、なんらかの実験で・・・」

「やはりそうか、ターナーが出会った化け物とやらがどう作られたか確実なものとなった、というわけか」

 あの化け物は人間を素体にして作られていた

 つぎはぎってことはたくさんの人間を・・・

 どうにかしなきゃ。帝国のこともだけど、その復活したって言う魔王のことも

 それには今の私の力は弱すぎる

 帝国がいつ攻めて来るかもわからない

 スヴィラナさんを逃がすとき、ギリギリで偵察用の猫ちゃんを放っておいた

 ちび猫ちゃんよりも小さなプチ猫ちゃんだ

 これなら絶対見つからないけど、力は大幅に制限される

 三匹ほど放ったから、いろんなところに入り込んで調べてくれると思うよ

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