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新しい旅1

 気が付くと、私は懐かしい部屋の懐かしいかごの中に寝かされていた

「ここは・・・」

 まわりを見る

 間違いなくアルト村の、フィオナちゃんの家

 ターナーさんと共に暮らしていたあの家だ

「目が覚めたかミア」

 久しぶりに聞く声

「ターナーさん?」

「ああそうだ。フィオナももう目覚めている。今メアリーとエリシャの身を取りに行っているぞ」

「フィオナちゃんは無事なの!?」

「ああ、話は聞いている。頑張ったなミア。そして、娘を救ってくれてありがとう」

 深々と頭を下げるターナーさん

「当然だよ。私の大事な親友だもん」

「ハハ、そうか、そうだな」

「ただいまー」

 玄関の扉が開いて、メアリーとフィオナちゃんが入って来た

「ミア! 目が覚めたのね!」

 エリシャというリンゴに似た果物のたくさん入った籠を落として、私に抱き着くフィオナちゃん

 すっかり元通りみたいで、あの魔王の気配がみじんもなかった

「よかった、元に戻ってくれて」

「ミアのおかげだよ。ミアがいなかったら、私、世界に酷いことをしてたかもしれない」

 私は人間形態になってフィオナちゃんと抱き合った

「うわっ、おい、なんだそれ聞いてないぞ! 服、服着ろ!」

 あ、そっか、人間形態になった方が抱きしめやすかったから、つい何も言わずにそのままなっちゃってたけど、ターナーさん初めて見るんだった

 取りあえずシーツをもらってそれを纏ってから再びフィオナちゃんんを抱きしめた

 この人間形態の見た目、前世の私が若干若くなった感じの見た目だから、フィオナちゃんより多少年上程度の見た目

 十七歳くらいかな?

 それでもこの世界だと十代前半に見えるっぽい


 あれから聞いた話だと、もう魔王が復活って話はないみたい

 やはりオワリを倒せたことでこの異変は解決できたみたいだ

 今代の魔王は多分そのオワリだったんだと思う

 歴代でも最多の被害を出した復活の魔王オワリと名付けられ、幕を閉じた

 勇者たちの役目も終わり

 それぞれ別に力を失ったわけじゃないけど、勇者と呼ばれることはなくなる

 ただ功績はやっぱり称えられていて、英雄や大英雄と呼ばれなおすパターンもあるみたい

 仲間だったタルニャはドワーフの国に戻った

 心配されていた天使としての役目だけど、天寿をちゃんと全うした後召し上げられるらしい

 つまりいつでも会えるってことだね

 エルヴィスは父親の手伝いを始めた

 彼のカード魔法は、物をカードに保管することもできるので、商売人にとって非常に重宝されるだろうね

 アラマキさん改めアラマキちゃんは、トガツメヒメさんの娘として元気に暮らしてるみたい

 また元の姿に成長しなおすには時間がかかるみたい

 まあ元々呪霊で死んでるから、成長ってのもおかしな話なんだけどね

 そして私達は、新しい旅に出ようとしていた

 今度はフィオナちゃんと二人旅

 まだ行ったことのない国、例えば鬼人族のいる国とかに行ってみたいからね

 そう言えば鬼人族の勇者って見てない

 あの戦いでは裏方のように街で待機してたみたいなんだけど、アラマキさんと引き分けたことがあるほど剣の腕前がすごいらしい

 まずはどの国に行こうか、なんてフィオナちゃんと話しながら、私達は村から再び旅立った

 こんどこそは、のんびりゆったり旅するんだ

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