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魔王の誕生4

 ゆっくりと動き出す人影

 大人になった姿のフィオナちゃんで間違いなかった

 そこまで背は伸びておらず小柄な女性の姿

 だけど雰囲気は

「ま、おう・・・」

 ニタリと笑ったフィオナちゃんに、前のような優しさはなかった

 愛憎の魔王

「危ないですわ!」

 タルニャが結界で、いきなり来たフィオナちゃんの攻撃を防ぐ

「く、なんですのこの力は・・・。桁違い、ですわ」

 パキーンと結界が砕け、タルニャが吹き飛ばされる

「アハハハハ、全部、消しちゃうから、パパ、ママ、見てて。私達の敵を、全部滅ぼしちゃうところを」

 フィオナちゃんが何かに話しかけている

 彼女の後ろには、髑髏が二つベッドの上に転がっていた

 多分だけど、フィオナちゃんの本当の両親のもの

 フィオナちゃんの父親、歴代最強と名高かった天の勇者レノン

 そして母親、元セリュシオン王女のアンリーナ

 二つの髑髏は大切に磨かれていた

「パパママ、きっとこの世界に復讐してみせるからね」

 さらに魔王としての格が上がった

 あまりにも強い魔王としての資質に私達はたじろぐ

 オワリが復活させ、強化してきたあの魔神たちの比じゃない

 フィオナちゃんの愛の力とはまた別の、この世界にはないと言われていた力が作用しているのかもしれない

「まずはあなた達ね? 勇者かしら? それと、猫? まあいいわ。消し飛ばしてあげる」

 フッと投げキッスのような息を私達に吹きかけると、とんでもな魔力の塊がぶつかってきて、私達は瓦礫にぶつけられた

「あら、簡単には壊れないのね?」

「う、にゅう」

 とんでもない

 今の一撃だけで、メアリー、タルニャ、エルヴィスは気を失っている

 私はうまく瓦礫を蹴って力を少しは逃すことができたけど、それでも立ってるのがやっとなほど

「猫だけ立ってるわね? あとのはゆっくり消すとして、お前は丁寧にミンチにしてあげるわ」

「ぐ、思い出してフィオナちゃん。私、だよ」

「知らないわよ。それ」

 指を翳すと、私の右前足が吹き飛ぶ

「うう!!」

 精霊だから再生するのは容易だけど、魂に響くこの痛み

 私が負ければ、フィオナちゃんに友達殺しというとんでもな罪を犯させてしまう

 この戦いは絶対に負けられない

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