決戦30
ナジュカを倒して異界から出ると、ナジュカの死体もこっちに戻って来ていた
ナジュカは封印されていた魔王だから、この死体はそのまま残ってる
「魔神にされると厄介だ。死体は焼いておこう」
本体が蘇るのと、残留思念が蘇ってるのじゃ強さが違うみたい
ケイジさんの言う通り、燃やしておいた方が安全だね
「炎の魔眼」
ケイジさんが魔眼の力で死体を一気に焼却して灰に変えた
「君たちがいなかったら全滅していただろう。ありがとう」
確かにあんなよくわからない空間に逃げ込まれたり、そこから攻撃されたりしたら手が出しようもない
でも、これで右腕と言われていた異界の魔王は倒せた
あとは、元凶を叩くだけだ
城へと侵入する一行
かなり大きな城だから、これだけの数が入っても悠々戦えそう
ただ私達が入ったとたん城の出入り口が閉じ、出れなくなる
いやまあアンジュさんの力を使えば外に出られるだろうけど、向こうから誘ってくれてるんだ。そのまま行くよ
門から奥、大広間を抜けて大階段を上り、大階段の上に会ったかなり大きな扉が勝手に開く
まるで自分はここにいるとばかりに誘い込んでくる
「不気味、なんだか静かすぎるよミア」
「うん、油断せず進もう」
扉の先は暗くて、ほとんど何も見えない
全員が入ったところで突然燭台の火がともった
「よく来たね。結構速かったけどそんなに死に急ぎたかったんだ」
コツコツと歩いてくるのは真っ黒なゴシックドレスを着たツインテールの褐色少女
目は怪しく赤く光ってて、その魔力は空間が歪んで見えるほどに底なし
「あんたたちを殺す前に教えといてあげる。私はオワリ。ぜーーーんぶ終わらせるからオワリ。いい名前でしょう? これからあんたたちも終わらせるから、たっぷり私に恐怖して、絶望して、死になさい」
ああ、この子はだめだ。分からせてあげないといけない
私達はそんな脅しには屈さないし、この世界も終わらせない
「オワリ、今日ここで君を討つ。もう世界を混乱に陥れさせない」
「やってみなよ!」
オワリがバッと手を広げ、戦闘が始まった