決戦22
大量の拳をさばきつつ、私は猫精霊魔法、あの力を使った
「英霊猫召喚! 悠久の騎士カナツメ!」
真っ白な甲冑を纏った美しい猫
彼女の名前はカナツメ
クロに教えてもらった英霊猫召喚で初めて応じてくれた騎士猫だ
「おお主よ! 吾輩の爪にかかりたい敵とは誰か!」
「一緒に戦ってカナツメ!」
「もちろんですとも! いざ! いざいざ!」
カナツメはいともたやすく拳を受けつつさらには受け流したりはじき返したりして、全ての攻撃を防ぎきってしまった
やっぱり猫英霊強い
「一撃八閃!」
カナツメの攻撃が炸裂する
たった一回の爪による切り裂きが八回分に相当するという技
彼女がかつて血のにじむ努力で編み出したらしい
「くぬ、おいの生み出した腕や足をこうも容易く・・・。お前強いな。だがおいの方がつよ」
「一撃百閃」
「え、ちょ、そんな」
「お前、油断したであろう? 吾輩の技があの程度だと、油断したであろう? そんなわけがない。そんなわけがないのだよ若輩者。吾輩の技は、まだまだ先がある」
「く、ぐああああああああああああ! おいの、おいの力が通じない! なぜだ! なぜだなぜだなぜだ!」
ズタズタに切り裂かれながら悲鳴にも似た声をあげるマソウ
「おいは勇者たちを喰らって強くなった! 誰にも負けない力を持った! 復活してからもネームドとかいう魔物をたくさん喰った! なのに! なのに!」
すでにボロボロのマソウ
「お前、一体どれほどの命を奪った?」
「知らん! おいはおいの喰いたいように喰ってきた! 弱肉強食、おいに負けて喰われた弱いやつらが悪い!」
「それもそうだ。だがそのお前は吾輩と言う強者に淘汰される。因果応報と言うやつじゃな」
「くそ! くそぉぉおおお! おいが、おいが猫なんかに!」
ザシュッ
マソウの首が転がり落ちた
彼女は復活魔王だけど、砂となって消えた魔王たちと違い肉体がそのままの状態で蘇ったみたい
そう言えば封印しかできなかった魔王も何体かいたみたいだし、そういう魔王が復活してるとしたらやっぱり脅威だよ