決戦13
アラマキが空を見ると、鷹の目の魔神カーは空からすでにライフルのような銃でこちらを狙っていた
「まだ仲間がいるでござるのに!」
明らかにゴルグガンごと狙撃しようとしているカー
魔力がどんどんその銃に集まっており、弾丸が撃ちだされた
それが地面に当たった瞬間、ミサイルの爆心のような爆発が起きる
「封殺次元斬り!」
アラマキは焦ることなくその爆風を斬って消してしまった
「ぬあああああん!」
すっぽんぽんのゴルグガンが風で転がって行きあられもないことになるが、誰一人としてそちらを見ずにカーを攻撃
「天の裁き!」
ドゴンと雷がカーに落ちる
だが銃を避雷針のようにして受け止めた
さらにはそれでエネルギーを充填し、また狙いを定めた
今度はビイに向けて弾を放つ
「ディエンドヴォルグ!!」
雷の弾をグルリシアの槍が打ち砕き、その槍は高速でカーに向かっていく
マシンガンのように弾を撃ってその槍を落とそうとするが、勢いはそがれることなくカーの翼を一つ撃ち抜き、落とすことに成功した
着地したカーはすぐに体勢を立て直して銃を構えなおし、その銃を変形させた
二丁のサブマシンガンのような銃に変形し、走りながらアラマキ達を狙い撃つ
「時幻、刃徒弩境」
数百はあろうかと言う弾を全て消し去るアラマキ
消えた弾はカーの真後ろに現れ、カーはその弾に撃ち抜かれ、砂となって消えた
「ちゃんと意識があればもっと手ごわかったでござろうな」
そのまま去ろうとするアラマキ達に声がかかる
「おいこら! 俺の鎧、どうしてくれるんだ!」
「分かった分かった。もう悪さをしないというならトガツメヒメ様に頼んで新しいのを作ってもらうから、ほら、これを着ておくでござるよ」
まだ泣きべそをかいていたゴルグガンに服を渡すアラマキ
「分かった。もう悪いことしない」
ゴルグガンはアラマキに寄り添い、涙をぬぐった
「ところでなんでお前は消えないんでござるか?」
「俺は封印されてただけだ。鎧の力を存分に示せって言われたからやってただけだぞ。でももうやらない。お前が新しい鎧をくれるって言うからな!」
嬉しそうに笑うゴルグガンは年相応の少女らしい可愛い笑顔だった